美しさも愛しさも全部
きっと、僕は彼女と付き合いたいのだろう。
そう気づいては分かっていました。筈でした。ですが、それを自ら自分は打ち消し、自分を騙していたのです。彼女の事を好きになってはならない。そう言い聞かせていた僕は彼女を自己満足で助けてわかりました。僕は彼女が好きなのだと。好き、付き合って、そんな言葉の価値はわかっていて、わからない。不思議な感じです。
本能とでも表すべきでしょうか、この感情は表せない。理性という概念に入っていないといえばいいでしょうか。愛は計り知れない何かを持っている。そんな感じで表せるでしょうか。
人を好きになる、それは呪いの様な物です。
そして自分は呪われる側。人を好きになると言うことは相手に呪縛されると言うこと、つまりは相手の行動一つ一つに価値を持たせる事です。
そして呪縛されたら最後、悩まされて幸せを感じます。
連絡先を交換してから早3日。連絡を送ろうとしたが、それは僕には不可能で、難しかった。
でも今日、頑張って連絡を送ろうとした。
「こんにちは、理です。前はすいませんでした。
ですが聞きたいことがあり、一体あの時、僕が助けた時貴女は一体何をしていたのですか?」
その疑問文を送った。恥を少しだけ感じる文だったが、もう送ってしまったので仕方ない。
「はい。こんにちは。心音です。あの時は私が昔の、昔とは表せるかはわかりませんが、中学受験をしたいじめっ子に会ってしまったから虐められていました。」
そう丁寧な口調で返してくる彼女。
「今はどうなんですか?」
「大丈夫、平気です。」
そうぎこちない言葉が返ってくる。
「それで、目的なんだけど、」
「僕と明日、横浜に遊びに行かない?」
「はい」
そう優しく返してくれる彼女。この時は幸せを溢れる程感じた。
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