君の笑顔がこの世界を美しく照らしてくれた。
小説狸
またね、そんな一言。
綺麗な横顔、美しい声、幼さと大人らしさを感じる印象。そんな君は僕の世界を美しく照らした。
これは初めて塾に行った時の話、この時の僕の年齢は12、幼い小学生。僕の存在意義はなかった頃。塾に行った時、初めてみた子、それの子が僕の世界を照らしてくれました。
名前は 英 心音 僕が見た中で一番美しい子でした。落ち着いた性格で、僕の友達が騒いでいるのを嫌がりそうに見てはなく、静かにシーンとしていました。しかも頭も良く、ちゃんとした姉がいる子でした。一目惚れ、そう表すべきでしょうか、ですが好きになってしまう程彼女は美しかったです。でも、僕はそれに比べて平凡、頭も良くない、イケメンではない、顔が整っている訳でも僕は思って無かったのです。
中学になると、自分が惨めになってきました。彼女は塾まで遠い学校から来ている為、自分とは違う学校に通っているのです。そうなると、何で彼女と同じ学校ではないんだ、と環境を恨みました。中学校の入学式、それを悟っていた僕は中学校、彼女に似た身代わりを探しました。だがしかし、身代わりはいなく、自分を責めました。
そんな僕にもチャンスがやってきました。いやチャンスなどの最悪な言葉で表すのは最低ですが、僕にとっては人生で唯一の運が良かった日です。
ピアノが終わった。疲れ果てたな。そう感じる。ここは彼女の学校の学区、そう気づいていていた。今日は気分転換に遠回りで何時もとは違う道を通り帰った。そしてイヤホンをつけていたから周りに良く注意して自転車を漕いだ。
そんな時、彼女の学校の制服を着た3人組が、一人の女子を虐めている。逃げて見ない振りをしてもいいが、正義感が働いて、体が知らずの内に動いていた。虐められていた女子の顔を見たがその子は 英 心音 本人だった。
「何やってるんだ」
少し怒鳴る。
「誰だよ、お前」
口調が荒い虐めている女子が話す。
「何してるんだ」
「関係ないでしょ、あんた」
確かに関係はない。
「なんで関係もないあんたが話しかけてくる訳?意味わかんないんだけど」
「でも、、、」
対抗ができない。だけど、僕は、助けるんだ。
「行こう!」
そうやって自転車を投げ捨てて彼女の手を持ち走る僕。彼女も勢いに負けて走り出す。
風が僕と彼女を跳ね返そうとしてくる。その勢いに負けないように、全力で走り出す。
「えっ、」
言葉を少しだけ吐いた彼女。
僕も、もう巻いたかと思ったので、走りを止める。
「ごめん。こんな事しちゃって、嫌ってくれてもいい、でも本当にごめん。」
そんなキザな言葉を吐くと、彼女は泣き出してしまった。どうして、あれこれ不安が頭の中で現れる。そして、
「ありがとうございます。」
その一言が上がった。僕は顔を突っ込んだ訳では無かったのだ。良かった。そう思う。
「うん。」
「連絡先、交換してしませんか?」
「いいよ」
そうして彼女の連絡先を手に入れた。
「では、またね」
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