光の届く先に
陽控優亜
プロローグ
暗闇の中、必死で走っていた。
誰もいない。
力尽きてしゃがみこんで。
言葉のナイフから心を守るために。
暗闇の中にいたはずなのに。
いつの間にか、暗いくらい海の底にいて。
上手く呼吸できない。
息が、できない。苦しい。
息が外に出れば、私はもう息を吸えない。
助けて、助けて。
そう思って、目を閉じれば誰かに強く上に引っ張られる。
目を開ければ男の人の後ろ姿。
私の方を見てにこりと微笑み。
『独りじゃないよ』
そういわれた。
目から何かが出た。
あぁ、私は……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます