出会いを大切に V.2.1

@MasatoHiraguri

第1話 はじめに

〇 バカとは

  一口に「バカ」と言ってもいろいろあり、私自身も自分をバカと思う時は幾度もあり反省することが度々ありますが、社会的な地位や権威をかさに着て絶対に反省することのない一方的なバカほど迷惑なものはありません。  とはいえ、長くて短い人生でせっかく出会った人や出来事ですから、大切な思い出としてじっくり味わうべきなのかもしれません。


  鎌倉時代「泣く子と地頭には勝てない」という諺が生まれましたが、当時の地頭と呼ばれた(現代で言えば)警察組織とは、ワンワン泣きわめく赤ん坊と同じで、論理とか人の道とか倫理など一切受け入れず、一方的に自分たちのやりたい放題をする無法の輩であったという歴史の故事に由来します。  高校時代、この言葉を日本史の授業で教わった時は、条件反射的に覚えただけでしたが、奇しくも「鎌倉」に住んでいた時、その意味を現実に体験したのです。


〇 自分で体験したことが一番信用できる情報

  鶏でもカラスでも、卵が孵化して初めて見たモノを親として認識するそうですが、人間の場合もまた、本や新聞、テレビや人の話で聞いた事実よりも、先ず、自分の目で見て・聞いた事実の方を真実と考えるというのが自然でしょう。


  しかし、「情報の洪水状態」である現代では、自分で体験するよりも、人の話(新聞テレビ・ネット情報)を自分の体験と錯覚することで満足・安心してしまうようです。  私は古い人間(年寄り)というよりも、何でも自分の目で・耳で確かめるまでは事実を受け入れない性格(特に大学で日本拳法をやってから)なので、先ず自分の体験ファーストです。


  たとえば、ここ3年間ほどのコロナ騒ぎも、政府や医者、マスコミ(という権威)の言うことなど全く信じていませんでした。  それは、大学日本拳法部時代、40℃の高熱にもかかわらず、防具練を含む3時間のフル練習(練習中の体温は、おそらく42度くらい?)をし、白目まで真っ赤に充血し、這うようにして帰宅した先輩が、翌日、元気一杯すっきりした顔で部室に来たという「体験」があるからです。その時、私は「(当時の)銭湯に38℃と42℃の湯舟がある理由」がわかりました。実際、大学卒業後社会人になってから今まで、どんなにひどい風邪でもサウナで完治してきました。


  そんな原体験があるので、どんなに権威のある人間がコロナの脅威を喧伝しても「コロナでもコレラでも、サウナに行けば治るじゃん」と楽観していたのです。  (最近読んだ「浅草博徒一代」佐賀純一著 新潮文庫で、ペニシリンがなかった頃の日本では、少量のヒ素を飲んで体温を上げることで梅毒菌を体外に排出して治療する、という実話があることを知りました。

  また「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげるさんの兵隊時代を描いた漫画(自伝)にも、体温が42℃になり、それが一週間続くとマラリアが治る、という実話が出てきます。太平洋戦争中、南洋戦線にいた日本の兵隊とは、全員餓死寸前の栄養失調状態で、尚且つ薬もなかったという、超劣悪な環境だったにもかかわらずです。

 2021年ですが、ベラルーシのルカチェンコ大統領なんていう人も、コロナはウォッカとサウナで治る、と言っていたそうです。)


  私が警察官や警察組織というものがバカであり、検察官や検察庁とは、それに比べればずっと理性的で知性的な人間・組織であると、ザックリとではありますが断言できるのは、そういう「自分の体験」が元となっているからであり、その体験は数十年の間に善き思い出となり、私はそれを大切にしてきました。


  もちろん、この本を読まれる方にとって私の体験とは「本やネットの情報」であり、皆さんご自身の体験ではありません。しかし、私の体験とは、何もアマゾンのジャングルを探検したとかヒマラヤヘ登った、なんていう「特別な体験」ではありません。やろうと思えば、誰でも私と同じ体験ができることであり、その意味では「再現性のある科学的な話」なのです。


  大学日本拳法というのは、フル防具着用によって、現実に思いっきり殴って蹴って投げて戦うという武道です。もちろん「寸止め」という戦い方をする空手や少林寺拳法にもそれなりの美学や哲学、そして高度な技術があるのでしょうが、私は合気道という「現実に投げて決める」自然派武道の人たちと、大学時代なんとなく「馬が合い」ました。


  大学日本拳法のような超現実の世界を体験した人には、この本に書かれたような「バカ話」に共感はできなくても、現実の重みということを感じて戴けるのではないかと思います。

  2023年5月12日  V.1.1

2023年5月13日  V.2.1

平栗雅人

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