水遊びは、大人の目の届くところで
木の傘
夏が近いと思い出します
夏が近づいてきましたね。毎年この季節になると、ふと思うんです——子供達は、どうしてこんなに水辺が好きなんだろう——って。
僕も子供の頃は、小川なんかを見るとすぐに駆け寄って魚がいないか探してしまうようなわんぱく小僧でした。
キラキラ光る水面を見ると、嬉しくなってしまって。それで、いつの間にか夢中になって手を伸ばしているんですよ。
でもそうすると、次に何が起こるかはお分かりですよね?
こうして大人になってみると、水辺というものはとても恐ろしいものに思えるんです。
さっきまで元気に遊んでいた子供たちが、知らない間に水底へ引き込まれているんじゃないかって気が気じゃありません。だから僕は、毎年この時期になると子供達に釘を刺すんです——子供だけで水辺で遊ぶのはいけません——って。
いくら水路の幅が狭くても、落ちたのが子供なら、たった十センチの水深で流される危険がありますから。全く、気が気じゃありませんよ。
厳し過ぎる? いいえ、そんな事はありません。
だって、彼女はいつも見ていますから。
光の届かない深い水の底で、水辺に来る子供達の様子をじっと——窺っているんです。
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