最終的に好きと言わせる

死神王

好きと言わせる

「エル。私に好きって言ってよ。」

「え?」

ユリの一言で、喫茶店で静かなベルが鳴った。エルは一呼吸置く代わりに自分のコーヒーを飲んだ。

「なんで急にそんな事言うんですか?」

「だって、私達付き合ってるじゃん。」

ユリは人差し指でエルを指で差した。

「まあ、そうですね。」

エルは動じずに頷く。ううん。これじゃあダメかと思って次の手に出る。

「でも、エルってさ。あんまり私に愛を表現しないじゃない。」

「えっ、愛を表現って……、なんかいやらしい。」

「いやらしいって何よ、だってそうじゃない。」

ちょっと変わった表現に急にエルは急に赤くなって、銀色の髪と真っ赤な顔が兎のように見えた。「ああ!可愛い」と叫びたい気持ちを抑えて私はあえて悲しそうな顔を見せながら続けた。

「普段そうやって、私に敬語だし。」

「だって、ユリの方が年上じゃないですか……。」

「まあそうかもね。」

私は自分のコーヒーに口をつけながら、

「でも、年上だからって距離感あっても私寂しいよ。そんなつもりで関わってるわけじゃないし、辛い。」

ヒステリックすぎたかもと思ったけれども、

「う、うーん……そこまで思ってたとは……。気をつけます。」

むっと口を結んで申し訳なさそうにするエルもそれはそれで可愛いかった。ああもう、なんでこんなに可愛いんだ?甘すぎるので私もコーヒーを口に含む。

「だからさ、一言。一言でいいから、好きって言って欲しいな。」

そう言って、猫のように上目遣いをしてみたら、エルはぎこちなそうに

「しょうがないですね……。」

「す、好きに決まってるじゃないですか……。」

と小さく答えた。

「可愛い!」

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