🐉🕑創䜜

ずぅる

第1話

時間を忘れた街。倜でも眠らず、垞に音楜ず狂気が溢れる街。

そんな街の奥深く。既に地図にない霧の䞭の廃校に圌等は居るず云う。

圌等はどんな願いも魔法のように叶えおくれる。それが䟋え、人の呜を奪うこずでも。


そんな郜垂䌝説を本気で信じおいるわけではなかった。けれどあの時は、瞋れるものには瞋りたかった。それほど必死だったのだ。


突然聞こえたチャむムの音に振り返るず、薄玫の孊ランの少幎がいた。


「其れ、"扶けお"くれたのですね」


指摘されお初めお、自分の手䞭に劙な圢の透明な石があるこずに気づく。韍に亀の甲が぀いたような、䞍思議な生き物を圢どった石だ。


「僕に頂けたせんか」

「 え、」


頂くも䜕も、これは自分の持ち物じゃない。

玠盎に其れを少幎に差し出すず、圌は嬉しそうに埮笑んだ。心なしか、少幎がその石を自分から受け取った瞬間、身䜓が少し軜くなったような浮遊感があった。

圌を指を鳎らす音に玛れるように、石は霧の䞭に消えた。


「ありがずうございたす。お瀌に貎方の願いを䞀぀、叶えおみせたしょう」


圌は圓然のようにそう蚀った。

生唟を飲んだ。あの郜垂䌝説の通りの流れだ。本圓に䌚えおしたったのだ。

震える唇で、絞り出すように尋ねた。


「願いは、どんなこずでもいいんですか」

「ええ、どんなこずでも。」

「だったら、 消しお欲しい人がいたす」


それを聞いた圌は、驚いた様子もなく、ただゆっくりずこちらに手を差し䌞べた。


「我が韍宮城に総おお任せください。さぁ、こちらに」


手を取っお、導かれるたたに霧の䞭ぞ進んでゆく。深海に溺れおいくように、少しず぀意識が遠くなる。

倧きな秘密ず眪の気配に、心臓が高鳎ったのが自分の最埌の蚘憶だ。






「只今。皆、課題を貰っおきたよ」


少幎はそう蚀っお匕き戞を開けた。

ずある廃校のずある䞀教宀、そこが圌等の居堎所だ。教宀ず蚀っおも、䜙分な机や怅子は無造䜜に隅に積み䞊げおあったり、拟っおきた゜ファヌがあったりず、内装はすでに圌等によっお倉えられおいるのだが。

そしお圌等、そう、郚屋には少幎ず同じ薄玫の孊ランを着た6人がいた。


「参、おかえり」


少幎たちは、参ず呌ばれた少幎のもずに集たる。

参は现長いピアスを揺らしお、目を现めお狐のように埮笑んだ。


「流石だね、参。」


参に声をかけたのは肆。綺麗な二重瞌が印象的なリヌダヌ栌の少幎。


「ねぇ今床の課題っおどんなの掟手なや぀」


匐が参をせかすように腕に瞋る。匐は参ず歳を同じくする、顔にあどけなさを残す少幎。


「掟手 かどうかはただ分からないけど、匐の奜きなや぀だよ」


参がそう蚀うず、䌍の目が茝いた。

䌍は切れ長の目が特城的な少幎。ナむフを構えおニダリず笑った。


「じゃあサクッず終わらせおくるよ、誰を消せば良いか教えお」

「おいおい、䌍は話は最埌たで聞きや」


䌍に牜制をしたのは陞。背が高くお蚀葉に関西匁が混じる少幎。


「タヌゲットは䜕人なのいっぱいいるなら纏めおやった方がいいよね」


挆が巊手で手抎匟を揺らす。挆は明るい髪色の巊利きの少幎。


「たぁ埅っおよ。消すのは1人だけど、ちゃんず䞋調べしなきゃでしょ」

「 うん。賛成」


壱が顔を䞊げた。壱は髪を肩たで䌞ばした、儚げな雰囲気の少幎。


「壱ず陞ず挆、匐ず䌍、僕ず肆でそれぞれチヌムに別れよう」


参の䞀声に皆が頷く。

各々準備を敎えた䞊で扉に向かう。が、肆だけはその堎を動かなかった。くるりず匐が振り返り、腕を匕いた。


「あれ、肆は行かないの」

「 定刻だ。僕は"面談"が、あるから」


"面談"。それはリヌダヌたる肆だけに蚱された特暩だった。参は睚むように暪目で肆をふず芋る。肆はその目線には気付かずに、ただ、黒板を、教卓を、芋぀めおいた。


「先生によろしくず䌝えおおいお」

「 うん」


肆だけが残された教宀。扉がピシャリず閉じた。7人もいるず隒がしかった空間に、静寂が蚪れる。

肆は芚悟を決めたように目を閉じお、歌った。

"面談"は、い぀もそうやっお始たる。

目を開けた肆には、教卓に䜕かが降臚したのが芋えおいた。


「僕らの乙姫先生、僕らはたた新たな救䞖䞻様から課題を授かりたした。」


ピンず匵り詰めた緊匵感が挂う。

面談の返答は肆にしか聞こえない。


「 はい。分かっおいたす。僕らが党員で救われる為に、䞎えられた課題をこなすのみです。 ただ」


肆は出掛かった蚀葉を飲み蟌んだ。教卓の気配の圧が匷くなったからだ。ビリビリず痺れるような空気は肆の指先を震えさせた。

肆は右手の震えを巊手で抑え、目を逞らした。


「 いえ。䜕でもありたせん」


ギリず肆は唇を噛む。

肆にずっお毎回この時間は䜕よりも苊痛だった。

か぀おの"面談"は、か぀おの乙姫先生は、もっず、感情的で、暖かくお、優しかった。


「はい。皆は倉わりなく、元気です。」


なのにこんな、冷たくお、嚁圧的な、"面談"。察話ですらなく、ただこちらの報告を求めおいるだけの時間。こちらからの意芋や勝手な発蚀は認められない。


"面談"は䞀方的に終わり、教卓にいた気配は蝋燭が消えるように霧散した。肆はフッず息を吐き、切り替えるように教宀を埌にした。






「挆、スヌツ䌌合うなぁ」

「陞も身長が高いからすらっずしおかっこいいね」

「 なんでこの栌奜なんだっけ」


壱ず陞ず挆は正装をし、ずあるパヌティ䌚堎に向かっおいた。

参がくれた招埅状は、黒字に金の文字で曞かれた倧仰なものだった。


「ドレスコヌド有。おたけに18歳未満お断りやっお」

「やらしいや぀」

「 違う意味でそうかも」

「参が蚀うには、タヌゲットは結構いいずこの坊ちゃんなんだよね」

「おん、政治家の息子やっお。パパは結構゚グいこずしずるらしいで」

「でも普通の䞀般人なんでしょ䞋調べなんかしなくおもこの䌚堎ごず吹っ飛ばせば終わりだず思うんだけど」

「倚分倧事にしたくないんじゃないかな 人もいっぱい居るだろうし」

「知らんけど、おがっちゃたやしボディヌガヌドずか居おはるんやない」

「そっか。たぁ、いいよ。参の䜜戊に文句がある蚳じゃないし」

「 このパヌティヌ、チョコずか出るかな」

「出るずええな」


陞はスヌツの裟を匕っ匵り敎え、挆は胞もずのネクタむを締める。壱は姿勢を正しお呚りを目線で䌺う。

各々呌吞を敎えお、高玚ホテルの宎䌚堎に3人は繰り出すのであった。






匐はバットを携え、䌍はサバむバルナむフを構え、ずある倉庫の前に立っおいた。


「ねぇねぇこれカチコミっおや぀ちょっず楜しいんだけど」

「救䞖䞻様をいじめた奎らしいし、参にも暎れお良いっお蚀われおるし、やっちゃいたすか」

「あ、殺しちゃいけないんだからね」

「それそっくりそのたんた匐に返す」


シャッタヌを䌍が蹎砎るず、䞭にはガタむの良い柄の悪い男たち。ただならぬ雰囲気を挂わせおいた。


「うわ、本物のダンキヌじゃん」

「えヌあれはダクザだっお」


男たちは䞀斉にこちらを芋、各々が歊噚を構えおガンを぀けおくる。人数は、ざっず30人匱。少々時間がかかりそうだなず䌍は銖を回す。

様々な眵倒が飛んでくるなか、匐は鉄パむプを持った男が「ガキ」ず蚀うのを聞き逃さなかった。


「あは、うっかりあい぀殺したせんよヌに」


匐の目から光が消え、口角が䞊がる。バットをガリガリず地面に匕きずりながら、匐は倧軍に突進しお行った。

前線の男のパンチが匐の顔に襲いかかるより早くそい぀の鳩尟に飛び蟌み膝を入れ、暪からの襲撃もバットをフルスむングでぶん殎る。倒れた敵のメリケンサックを咄嗟に奪い、目にも止たらぬ速さで沈めおいく。

生々しい骚の砕ける音ず、悲鳎ず、血の匂いに䌍は顔を顰める。

䌍はサバむバルナむフを裏手に持ち替えお、姿勢を䜎くし、向かっおくる盞手の脚を次々ず切り付ける。死なせないように、ず蚀い聞かせながら、盞手の機動力を確実に奪っおいく。


「おヌさた、だヌれだ」


匐が鉄パむプの男の顔を螏み぀けにしながら、猶蹎りをするようにあたりを芋回す。

突然の襲撃、正䜓䞍明のバケモノのような戊闘力の二人組。仲間が次々ず地に䌏すのをみお、ただ立っおいる数人も完党に硬盎しおしたっおいる。だがその䞭で、ただ䞀人だけただ怯たずにガンを飛ばす男がいた。

匐が䌍にアむコンタクトを飛ばす。頷いた䌍は音無く背埌から銖元にナむフを圓おがう。


「動くな、黙っお質問に答えろ」

「䌍っおば、黙っおたら答えらんないじゃん」

「あ、そっか」


䌍の隙を぀いお男がナむフを匟き飛ばそうずするが、それよりも早く䌍は男の膝裏を蹎り、背䞭を抑え぀ける。う぀䌏せに倒れた男の背䞭に銬乗りになり、銖暪にナむフを突き立おる。䌍は胞を抑えながら安堵のため息を挏らす。


「あっぶね〜 」

「も〜しっかりしおよ」


トップの完党な敗北を前に、ただ立っおいた男たちは尻尟を巻いお逃げだしおいった。匐は肩を萜ずしお軜く手を振っお芋送った。

そしお匐は男に歩み寄り、芖線を合わせるようにしゃがむ。


「ね、おにヌさん。僕たちずお話ししよヌよ」


匐は返り血のべっずり぀いた顔で、倩䜿のように埮笑んだ。






"面談"を終えた肆は参ず合流するべく、廃校の職員宀ぞ向かう。職員宀ずいっおも、ロッカヌが倚かったため今は韍宮城の倉庫ずしお䜿われおいる。


「ごめん参、お埅たせ」

「先生はなんお」


肆は蚀葉に迷った。肆が"面談"したのは、参の期埅するあの先生ではない。きっず玛い物だ。それを肆は分かっおいるが、口には出せなかった。きっずそれを蚀ったら、皆は動揺するだろうし、蚀っおしたったらあの玛い物が皆や本物の先生をどうするか分からなかったから。


「皆は元気かっお、心配しおたよ」


肆は嘘ずも本圓ずも蚀えない応えを返した。参は目を䌏せ、郷愁の衚情で「僕も䌚いたいな」、ず溢した。肆は顔を無にしお感情を殺した。参はロッカヌを開け、話題を切り替えた。


「今回のタヌゲットはさ、救䞖䞻様の恋人らしいんだ」

「ああ、蚀っおたね」

「有名な政治家の息子で、将来二䞖になるっおいうし今倧事な時期だから、スキャンダルを恐れお救䞖䞻様を葬ろうずしおるらしいんだ」

「うん」

「自分が消されるくらいなら先に消しおやろうっおいうのが、救䞖䞻様のご意思なんだよね」

「 」

「ああほら、これ」


参がロッカヌの䞭にある金庫のダむダルを開けた。韍宮城においおの貎重品はほが参が管理しおいる。この金庫の開け方も参しか知らない。

参が金庫を開けるず、同じ生き物の圢の石がずらりず䞊べられおいた。しかしどれも違う色を攟っおいる。

䞀番手前のものが今回のものであろう。透明だった石が、オニキスのように黒く染たり぀぀ある。


「ふふ、真っ黒か。たぁ誰かを消しお欲しいっお課題の石は暗い色をしおいるモノだけどね」

「 僕たちはどうしおこれを集めさせられおるんだろう」


グロテスクに光る石を前に、肆は぀ぶやいた。その発蚀が耳に入った参はキョトンず目を䞞くした。


「君が、ずいうか先生が君にそうしろっお仰ったんだろ」

「そうだけど、その理由を僕は聞いおいない」

「今日の肆はなんだか反抗的だね、䜕かあった」

「 」

「確かに、䜕個集めろずか集めたらどうなるかずか具䜓的なこずは分からないけど。どの道これしか今の僕らはするこずが無いんだ」

「それも、 そうだね」

「さお。石の色の確認に立ち䌚っおくれおありがずう。もう調べたいこずは調べおしたったから、教宀に戻っお皆を埅ずうか」


参は金庫を閉じお、ダむダルを回す。ロッカヌも閉じお鍵をかける。過剰なほどの厳重さは、参の性栌を写しおいるようだず、肆は思った。






再び教宀に集った7人は各々の調査の報告をした。それを元に䜜戊を組み立お、指瀺をするのは参の圹目だった。


「あのパヌティヌ、なんかグロかった。オトナの䞖界っお感じで」

「タヌゲットには垞に最䜎二人はSPが付いおたね。あれは少し厄介かも」

「ダクザの芪分はそい぀の父芪ず付き合いあるっお蚀っおた。」

「あ、でもちゃんずもう関わんないっお蚀っおくれたよっおいうかトップ朰しちゃったからもう怖くないけど」

「 じゃあ問題はSPがいるっおこずだけやな。ここは俺が行こかあの蟺の地理は把握したから、いけるず思うで」


陞はスナむパヌラむフルを肩に担ぐ。長身の陞に䌌合う銃身の長い倧物。


「 成皋。そうだね、実行は陞にお願いしようか。」


参は顎に手を圓おお埮笑む。陞は満足そうに頷いた。


「壱ず挆をサポヌトに぀けよう。たた明日のパヌティヌは18歳未満立ち入り犁止らしいし」

「OK」

「了解」


壱は手袋を付け、挆は革のロングコヌトを矜織る。これが人の臚戊䜓勢。仕蟌みがある、ず先に壱ず挆は教宀を埌にした。陞は実行たで仮眠をするず自宀に戻っお行った。


「救䞖䞻様にはもう少し韍宮城にいお頂こうか、肆はたた毒の調合を頌むよ」

「分かった。 たぁあれはどちらかずいうず薬なんだけどね」

「匐ず䌍は僕ず留守番ね」

「え〜」

「た、仕方ないっお」


各々の圹割が決たったずころで、圌等は䞀床解散した。




肆は薬の調合の為に理科宀に向かうず、先客に挆がいた。


「あ」

「急いでないから、ゆっくりでいいよ」

「ありがずう」


挆はコヌトの裏地のポケットに䜕やら色々仕舞っおいる。盞倉わらず物凄い数のポケットだな、ず肆はがんやり思う。それぞれのポケットに入っおいる䜕かのそれぞれの違いは肆にはさっぱり分からない。挆は爆薬の調合・扱いに長けおいる。肆はその䜕かおそらく爆薬の倖芋から嚁力や効果を、分からないなりに考察するのが少し楜しかった。挆はその䞭の䞀぀の猶を開け、埐に䞭のクリヌムを髪に銎染たせ始たる。


「え、それ」

「ワックスだけど」

「あ、そう 」


肆は気恥ずかしくなっおはにかんだ。髪をマむペヌスに敎える挆ず、ただ怅子に座っお埅぀肆はそれぞれの沈黙を楜しんだ。




「あははねぇ壱苊しいっお」


廊䞋では壱が匐をぎゅっず抱きしめおいた。壱が課題前に必ずするルヌティヌンのようなものだった。

通りがかった参は、い぀ものこずだず通り過ぎようずしたけれど。なんずなく今日は䞀緒になっおみたくお、壱の背䞭偎に抱き぀いた。急な衝撃に驚いた2人はバランスを厩しお、3人ごず暪に倒れ蟌んだ。それが劙におかしくっおけらけら笑っおいた。光景を芋おいた䌍は、サポヌトずは蚀え壱はこの埌人殺しに行くんだよな ず少し匕いおいた。




壱ず挆は先にパヌティヌに出発し、陞は遅れお仮眠から起きた。幞いパヌティヌは前に朜入した堎所ず同じ堎所。良く飜きもせず同じずころでパヌティヌをするな、ず挆は思った。

陞は1kmほど離れたビルの屋䞊にラむフルを構える。スコヌプを陀くず、レヌスのバルヌンシェヌド越しに䌚堎が良く芋えた。

定刻になり、壇䞊にタヌゲットが珟れる。堂々ず胞を匵り、隣にはSPを埓えお也杯の音頭をずる。スコヌプの䞭の赀い十字線の䞭心に奎の頭を定める。匕き金に指をかけ、その時を埅぀。い぀でもええで、ず陞は心の䞭で呟いた。


䌚堎内で生チョコを食べおいる壱の背䞭に、挆はすれ違いざたにこっそり觊れる。はたずチョコを食べるのをやめ、右手をそっずポケットの䞭に入れた。

壱は糞を操るのを埗意ずする。壱は気配を消し、誰もこちらを芋おいない䞀瞬を芋極め、糞を䞊空ぞ飛ばす。糞はシャンデリアに絡たり、容易く壱の身䜓を浮かす。壱は糞に匕かれお忍者のようにシャンデリアに音もなく飛び乗った。誰も倩井を気にする者はいない。壱が飛び乗ったシャンデリアはひず揺れもしおいないからだ。


「3
2
1 」


挆が呟いたカりントダりンのれロをかき消すように閃光が䌚堎を癜色に包む。勝利を確信したように、挆は目を䌏せお笑みを浮かべた。

サングラスをかけたSPでさえも目が眩んだ䞀瞬。 パヌティヌの客の誰しもが目を瞑った䞀瞬。倢のように浮かんだ䞀瞬。

光が萎み、次に芖界を取り戻した時。


もう党おが枈んでいた。



窓から挏れた光に反応しお陞が匕き金を匕き、匟䞞が窓ガラスを貫く。ガラスの割れた音はタヌゲットの絶呜の瞬間をカムフラヌゞュした。シャンデリアの䞊から壱が糞を䌞ばし、死䜓ず繋ぐ。壱はシャンデリアから飛び降り、そのたた吊し䞊げた。

呆気なく。これで事は枈んだのだ。


ガラス割れず壇䞊から人が消えたパニックに玛れお、壱ず挆は悠々ず䌚堎を脱した。スコヌプ越しにビル䞊から陞もそれを確認し、息を吐いた。そしお、撀収しようず振り向いた先に、䌍がいた。


「うぉ、ビビった」

「背䞭ガラ空き。」


䌍は舌を出しお、挑発する。陞はなんずも蚀えない気持ちで肩を萜ずした。


「なヌんお。ほら、早く戻ろう、課題も終わったこずだしさ」




救䞖䞻ず呌ばれる圌らの䟝頌䞻は、肆の毒 基、睡眠薬で保健宀に眠らされおいた。課題が終わった埌、韍宮城の圌らは救䞖䞻を元いた堎所ぞずお返しする。それを持っお課題提出ずし、先生に認められるのだ。

眠らされおいた救䞖䞻は、たるで倢をただ芋おいるかのようにふらふらしおいた。


「あなたの願いは叶いたした。どうかこの先お気を぀けお」

「 あ、りがずう、ございたす 」


救䞖䞻な生気なくお瀌を蚀い、振り向く事なく霧を抜けおいった。

参は救䞖䞻を珟実に確実に送り届けたこずを確認するず、顔から埮笑みを消した。

あの石は完党に黒く染たっただろうか。参は石のこずを気にした折に、先刻の肆の様子を思い出しおいた。


「肆は、先生は、僕に䜕を隠しおいるんだろう」


参は、居堎所がある方角を向き、疑念に目を现めた。



時間を忘れた街。倜でも眠らず、垞に音楜ず狂気が溢れる街。

そんな街の奥深く。既に地図にない霧の䞭の廃校に圌等は居るず云う。

圌等はどんな願いも魔法のように叶えおくれる。それが䟋え、人の呜を奪うこずでも。

圌等の名は韍宮城。

秘密ず狂気の廃校は、ダバさで満ちおいる。

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