第2話 婚約者さま登場。

 事の始まりは、婚約者のシンタロウが突然現れた事だった。



 今日も勉学に励もうと意気込むアリエスに向かってツカツカと歩み寄る3人の影。


「アリエス嬢、話がある」

「これはシンタロウ様。ごきげんよう。突然。どうされました?」


 朝から物々しい雰囲気を醸し出しながら現れたのは、この国の評議長の第一息であり、アリエスの婚約者でもあるシンタロウと、その友人であるユキヒデ、そして外見が非常に麗しい緑色ヘアーのミレニアの3人であった。



 その3人の内、一際輝きを放つのはミレニアと呼ばれる少女。

 ミレニアの耳は細長く尖っていて、直ぐに誰もがエルフと呼ばれる種族であると気づくであろう。

 細く折れてしまいそうな腰、手足も細長く、肌は光が透き通るかの様に輝いており、髪の毛も非常に細かく柔らかそうな緑色のストレートヘアのタレ目がちな甘ったるい系超美少女である。

 因みに、胸だけはエルフ族の特徴の1つである、超控え目サイズであった……。


 アリエスだって負けてはいない。

 耳はよく見るとほんの少し尖っており、元人間族ではない、真の吸血鬼ヴァンパイア族であることを示している。

 肌は瑞々しくどこまでも滑らかなシルクその物の肌質を誇っており、芸術品の様に細く造形された腰、細長い鞭のようにしなやかな手足、それでいて胸はエルフ族と違いその存在を主張していた。

 お尻はエルフ族ほどの小尻とまではいかないにしても、キュッと締まった形の良い美尻。

 そして美しい、限りなく白に近いプラチナブロンドのロングストレートヘアー、若干つり目気味な少々主張が強そうに見える勝ち気系超美少女である。


 残りの2人は、モブと言うべき平凡な容姿だが、この世界では、2人の外見はかつてこの世界を救ったという『勇者』と『魔法使い』の外見の特徴を備えており、一般人からは大変に人気が高い容姿の2人である。

 また、その外見をある事情丶丶丶丶からアリエスは「なんだか落ち着ける」と内心、密かに評価していた。


 4人共に14歳で巨大ロボット『巨竜機人アスタロイド』の操者パイロット候補生である。



「シンタロウ様、突然どうされました? 学園内では接触を控える様にされていたかと思ったのですが」






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