かもす仏議の四天王 - かすみちゃんと賀来ちゃん

 ラノベの表紙を研究し始めたイカワは、まずは今っぽい絵の学習に入りました。枠で囲んだかのようなまつげ、あるかないかわからない鼻、ぱっつんぱっつんの制服……。折しも木下望太郎さんの「かもす仏議の四天王」の読書中だったので、メイン キャラクターの一人、賀来留美子ちゃんをモデルに絵を練習し始めました。


 木下望太郎さん作「かもす仏議の四天王 ~崇春坊退魔録~」はこちらから!

 https://kakuyomu.jp/works/16816927860224664762


 ちょっとは今っぽい絵になったかな……と思ったので、賀来ちゃんともう一人のキャラクター、谷﨑かすみちゃんの絵を描かせていただく許可を木下さんから頂きました。出来上がった絵はこれです。


 https://kakuyomu.jp/users/ikamiro00/news/16817330650015925141


 賀来ちゃん(右側)もかすみちゃんも何度も描いていたので、下書きまではほどほどに順調でした。しかし、色を塗り始めたら、さあ大変! 髪の毛から塗り始めたのですが、ださっ! 髪の毛の線の入れ方が既にださっ! どうやったら今っぽく彩色できるの? さっそく、イラストの描き方サイトやらビデオやらを見に行きました。そこでまず学習したのは、世の中の絵師の皆さんは、膨大な数のレイヤーを使い、かつ、様々なレイヤー属性を駆使して絵を書いているんだ、ということです。


 レイヤーとはなんぞや? という方のために少し説明しておきます。イラストを描くアプリでは、透明な薄紙を何枚も重ねるようにして絵を描いていきます。この薄紙をレイヤーといいます。例えば、顔の肌全体の色とほっぺたのピンク色は別の薄紙(レイヤー)に描いておくようにします。


 こうしておくと、肌全体の色に影響することなく、ほっぺたのピンクの濃さを自由にいつでも調節することができます。また、それぞれの薄紙には、反射する紙、重ねると反対色になる紙……というように様々な機能(これを属性モードといいます)を持たせることができます。このように異なるモードの紙を重ねることで、元の絵に影を落としたり、キラキラ感を持たせたりと、様々な効果を与えられます。


 しかし、論理がわかっても絵が上手になるわけではなく……。何度も見ながら描き直しをしました。特に毛の流れを出すのは難しく、「これ!」という線が引けるまで何度も描いては消し、描いては消しを繰り返しました。


 アプリの素晴らしいところは、納得できるまで何度も描き直しができるところです。紙だったら、一度塗ったら塗り直しなんてできません。水彩画とか一発勝負の絵が描ける方は素晴らしいです。アプリがあるから、なんとか絵が描ける私からすれば、肉筆画が描ける方は神の領域に住んでいるように思えます。



 さて、賀来ちゃんの髪の毛を五日くらいかけて塗り終わって、今度は目を塗り始めました。ここでまた、難関に突き当たりました。目が……死んだ魚のような目になってしまう。


 再び、イラストの描き方サイトを巡って宝石のようなキラキラ目の描き方を学習します。髪の毛のときもそうだったのですが、一口に今っぽい絵といっても、描き方は人によって結構違うんですよね。なので、真似しやすい描き方を探してさすらいました。ただ、目の方は私自身が目を描くのが好きなので髪の毛に比べるとスムーズに行きました。


 それでも、三日ぐらいかかりましたが (^^;)> かすみちゃんの目を描いたときは、最初キラキラしすぎてしまったので全部消してやり直しました。(どのパーツも全部消してやり直してるんですけどね……)


 次の難関は制服のジャケット。紺色なので影が目立たなくて難しい。あと、エアースプレーでふわっとした影にすると今っぽくない。水彩筆でストロークが見えるように塗ると、今っぽくなるということを学習しました。


 そして、今回の最難関、スカートのチェック柄…… orz


 これは、既存のチェック柄をダウンロードしてきて、変形ツールでスカートの形に合わせながら貼り付けました。これが花柄だったらあまり苦労はなかったのですが、格子であるだけに、遠近やスカートの生地の角度がとても目立ちます。そして実際に貼ってみると、遠近感めちゃくちゃなのがバレバレに……。


 右側にいる賀来ちゃんのスカートは、もう柄を貼り付けてしまったので、一度置いておいて、左側のかすみちゃんのスカートの線画を書き直すことにしました。俯瞰の制服姿の女の子の写真を探して、参考にしてみたのですが、うわぁ、かすみちゃん、なんてずさんなデッサン……。


 とりあえず、写真を見ながら書き直して、かすみちゃんのスカートはアングルとしておかしくない感じに収まったのですが、賀来ちゃんをどうしよう……。本当だったら、賀来ちゃんのスカートもかすみちゃんのと同じような角度にする必要があるのですが、直そうとすると、ジャケットのウエストから下全部をまた線画から描き直さなくてはなりません。この気力がどうしても起きなかったので、目をつぶることにしました。


 そのほかにも、この角度では手持ちの自撮りが出来ないということが判明しました。というわけで、賀来ちゃんは左手の先に短めの自撮り棒を持っています。


 今日、改めて絵を見てみて、既にいろいろなところが気にかかっております。かすみちゃんの髪の毛がふわっとしてないところとか、手がいい加減なところとか、二人共幼く見えるところとか……。鼻が無いので幼く見えるのは仕方がないのですが、これで「ちょん」という程度に鼻を付けるのが恐ろしく難しいんですよー。画竜点睛ならぬ賀来点鼻。怖くて点鼻はできずにシャドウでごまかしました。


 次回絵を描くときは、まず下絵を正確にデッサンするところから始めようと思います。あとはやっぱり髪の毛だな……。


 果たしてラノベっぽい表紙が描ける日は来るのか!? その日を目指して精進を続けたいと思います。



(二〇二二年十一月二十八日)



 注: このエピソードは、二〇二二年十一月に近況ノートに投稿した内容を編集して再録したものです。


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