ひねくれカルメはログの溺愛が怖い……はずだったのに!

宙色紅葉(そらいろもみじ) 週2投稿

あらすじ

今回のあらすじはオチまでのっています。

お気を付けください。


 とある小さな村のはずれの森の中に、カルメという女性が住んでいた。

 カルメは常に孤独で、過去のトラウマなどから他者と自分自身を徹底的に嫌っている。

 しかし、中途半端なカルメは一切人と関わらずに独りきりで生きていく、ということも選ぶことができなかった。

 結果、カルメは自身の優れた水の魔法で村の天候を操って水害から守ったり、水による恩恵を与えたり、村の近くに出る魔物を狩り取るなどして村に恩恵を与え、その代わりに村に自身の家や食料、金銭を用意させる、という利益による繫がりのみを持つこととした。

 ある日、カルメは森の中で同年代の男性、ログがクマの魔物に襲われているのを発見する。

 ログが村人だと勘違いしたカルメはログを助け、村の診療所まで運び、その命を助けた。

 その数日後、ログはカルメに礼を言いにカルメの自宅を訪れるが、そこで、ログはカルメに対し恋愛感情を抱くようになる。

 他者を嫌い、特別な感情を向けられることを嫌い、かつ、過去の経験から他者の語る愛を一切信じていないカルメは、ログの感情を錯覚であると断定し、ログを自分から遠ざけるような行動をとる。

 しかし、カルメがログの眼前にナイフを突き付けて脅すなどしても、ログはカルメに求愛を続けた。

 初めは余裕をもってログを追い返していたカルメだが、ログが一向に自身への感情を覚まさないことに焦り、怯え始める。

 そのような状況下で、村長の娘であるサニーに、ログは恋に恋をしている状態であるから一度恋人になればログは満足し、かえってカルメから離れていくのではないか、と告げられる。

 サニーの言葉に納得し、カルメとログは恋人になるが、ログのカルメへの想いは冷めず、また、カルメも段々とログを意識し始める。

 ようやくログの愛を本物として信じ、受け入れようとするものの、同時にそのことがとてつもなく恐ろしくなり、カルメはログを激しく拒絶した挙句に軽い怪我を負わせてしまう。

 そのことをきっかけに二人はすれ違い、恋人関係を解消することとなった。

 二人が別れてから数日後、カルメは酷い風邪に蝕まれた。

 異常に気が付いたログがカルメのもとへ駆けつけ、カルメの病状は回復へと向かう。

 その際に、カルメはログに、未だにカルメのことは好きだが、二度とカルメを傷つけないためにカルメのもとへは金輪際訪れない、と告げられる。

 その言葉を受け、かつすれ違い、独りきりになった時にログへ恋心に気が付いたカルメは、今度は自身がログに求愛を行うことを決め、回復から一週間後にそれを実行する。

 恋人となったカルメはこれまでの自身の行動を詫び、過去母親に捨てられてしまった事や所属してきた村々から追い出されてきたことを語った。

 ログはそれを受け入れ、二人は互いを愛し合って生きていくことを決めた。

 恋人になってから数日が経ち、カルメはログに甘やかされっぱなしの自分に悩んでいた。

 恋人に対して何かをしたいと考えていたカルメはログにキスをすることを決め、そこからさらに数日後にそれを実行した。

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