ケモノの千の夢

シェフィア

プロローグ 千の夢

やぁ、いらっしゃい


 目が覚めた時、そこは真っ白な空間だった。

 いや、正確には【怪物】がいる不思議な空間だった。


今日はどんな世界を見てみようか?


 ある時から僕は【怪物】と共に世界を見ている。

 特になにをするわけでもなく、ただ何も無いこの空間でずっと世界を眺める。

 たまに干渉したり、たまに助けたり、たまにイタズラしたり。


面白そうな匂いがするね


 僕には記憶が無い。

 この【怪物】は世界の誰かを食べるのが好きだ。

 気に入ったのがいれば、最期までそいつを眺めて、終わった時に食べてしまう。

 もしかしたら僕もこの【怪物】に食べられたんじゃないんだろうか。


ほら、一緒に見るよ


 物騒な手で優しく引き寄せられる。

 悪意は一切なく、ただの友人として僕らは在る。

 特にやることもないので【怪物】に寄っかかりながら見る事にする。


今日はどんな世界が見られるのかな?

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