向こう側

勝利だギューちゃん

第1話

「一休みするか」

ペンを置き、伸びをする。


窓の外には星空が見える。

ここはど田舎だ。


僕は今、アトリエで絵を描いている。

といっても自宅ではない。

都心からかなり離れた山奥。


ここで絵を描いている。

でも、絵を描くのが仕事ではない。

仕事は別にある。


たまのまとまった休みに、ここに来て絵を描く。

それが、唯一の楽しみだ。


僕は絵を描くのが好きになったのは、父の影響。

すでに他界して久しい。

父はよく言っていた。


「紙に描いた絵は生きている」と・・・


よくホラーもので、絵の中に閉じ込められるというのはある。

それが本当なら、この絵のなかに入りたい。


そして自分の生み出したキャラたちと話したい。


でも、それは無理だ。

あったら怖いが・・・


しかし、明日には現実に帰らないといけない。

またあわただしい日々が始まる。


次にここに来る時まで、その願いはとっておこう。


「だが、この絵だけは完成させておかないとな」

こうして、再びペンを取った。

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向こう側 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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