終末世界でサバイバルしてみた〜人類の終焉

水無月のん

絶望の幕開け

第1話 日常

 ※注意


 これはフィクションです。

 初めてのゾンビ小説なので温かい目で読んでくださると嬉しいです(中2)


ーーーー


 「おい聞いたか涼太!?」


 「なんだよ」


 「なんか病気が流行りだしたらしいぜ」


 「マジかよ、なんて言うやつ?」


 「なんかZウイルスってやつらしいぜ」


 「ふーん、なんでそう言ってるん?」


 「いや知らんけど、でももしかしたら学校休みになるかもな!」


 「だな!」


 俺の名前は橋田涼太。ごくごく普通の中学2年生、そしてテストもいつも上位に入っている、と言っても山間部の中学なので学年人数は70人くらいしか居ないけど。


 まあ、得意な教科は理科と国語。バレーボールをしていたけどもう辞めた。勉強が楽しくなってきたからね、それと、あと一つ。


 『さようなら』


 『はいさようなら〜』


 「ねえ、今日涼太んち行っていい?」


 「あーギターしようと思ってたんやけど、一緒する?」


 「行く行く!教えてくれギター」

 

 俺には趣味としてギターを嗜んでいる。特に、アコースティックギターは俺の得意分野だ。


 「じゃ、また後で!」


 「おう」


ーーーー


 「ただいまー」


 「おかえりなさい、手をしっかり洗ってね」


 「なんで?いっつも洗わんじゃん」


 「最近ウイルス、世界で流行ってるんでしょ、日本で流行りだしたらどーすんのよ、」


 「またそれかー、そのZウイルスってやつは一体何なの?」


 「分からないわ、情報が入ってこない限りは」


 「ふーん、あ、てか一樹かずき今日も家上げていい?」


 「いいけど、しっかり予防しなさいよ」


 「はーい」


 母と会話を一通りしたところだった。


 『速報です。日本で初めてのZウイルス感染者が確認されたとのことです』


 「「!?」」


 『アフリカから帰国した日本国籍の男性が、熱、喉の痛み、そして、Zウイルス特有のができ始めたことから、帰国して3日後、診察を受けに行き、感染が確認された模様です』


 「おいおい、マジかよ」


 『専門家によりますと、Zウイルスは熱に強い為、熱帯地域の多い南アメリカ、アフリカなどは感染者が爆発的に増えているそうです、男性はアフリカ観光途中に感染したと思われます』


 『続いて次のニュースです…』


 「やっぱり今日は遊んじゃ駄目よ」


 「えーうちみたいな田舎までは流石に感染は広がらないよー」

 

 「分からないでしょ、兎に角、今日は遊んじゃ駄目」


 「はーい」


 ということで、今日は遊べないことになったので、一人でギターを弾くことにした。


 世界中で広がるZウイルス感染者、その脅威は誰もが予想しなかったことであり、現実に起きたゾンビ災害だった。


ーーーー


 「おはよう〜母さん」


 「おはよう、父さんはもう仕事に行ったわよ」


 「流石に早すぎ、すごいなあー父さんは」


 父は薬剤師で、薬を作ったりなどして患者さんを助けている。時期としては今は2月、凍える季節であり、患者さんが多い季節でもある。


 僕は身支度を整え、朝ご飯を食べ、歯を磨き家を出た。


 「おはよう、一樹」


 「おはよう」


 一樹は少し口を尖らせてからこう言った。


 「いや別に、お前の親が悪いわけじゃないけどさ、ちょっとくらい良くね?別に」


 「いや駄目だよ、俺の父さん薬剤師だしさ」


 「それもそうか、すまん」


 「謝んなよw」


 そうして一樹と一通り会話を交わして学校への道を進んだ。


ーーーー


 時間は三限目、教室で国語の授業をしていた。


 「では、作者の心情を考えてみてください」


 作者の心情を考える問題。これの答えは単純で、大体の物語の作者は物語の終盤に心情を著してる場合が多い、だがこれは、物語の前半に心情を著し、その心情を決定的にする事件などが起こっている。すなわちこれは、


 (引っかけトラップ問題っ!)


 そう考察し、見事、正解をもらった。



 授業後



 「やっぱお前やるなあ!尊敬だわー」


 「だろ、こういうのは簡単なんだよ」


 「ったく、調子がいいなあw」


一樹と会話を交わしている最中に、所謂『真面目女子』の君嶋きみしまさんが現れた。


 「一樹さんと涼太さん、手洗いうがいしっかりしてます?」


 すると一樹が面倒くさそうに応えた。


 「ん、いやぁ、やってないですね〜てかあなたに関係なくないすっか?」


 「関係あるわ、Zウイルスが流行してるの知らないの?」


 「知ってますけど、まだ日本には来てないですよ〜」


 彼女は少し怒気を込めてこう言った。


 「あなたニュース観てないの?昨日日本で初の感染者が確認されたのよ、もし脅威的なウイルスだったらどうするのよ?」


 俺は彼女を怒らせてもいい事がないと思い、一樹に手洗いうがいをしようと呼びかけた。


 (なあ一樹、ちゃちゃっとやっちまおうぜ)


 (えーだりいやん)


 (いやー俺的には君嶋さんの方がだるいけどなあ)


 (分かった分かった、じゃあしゃあねえから洗うか)


 「君嶋さん、ごめん、ちゃんと手を洗うわ」


 「ほんと?分かってくれればいいのよ」


 彼女の釣っていた眉は穏やかになり、いつもの雰囲気に戻った。彼女は「用事があるから」と言い、その場を後にした。


 「ああいう女の子が面倒いんだよな〜」


 と言ってる一樹の本当の気持ちは俺が一番理解している。


 「いや、お前多分だけど好きだろ?君嶋さんのこと」


 「!?いや、べ、べつにそんなんじゃねえし」


 うん、実に分かり易い。まあ本人が隠したがっていることは掘り返したりなんてしないけど、


 「ふーん、俺にはそう見えた」


 「いやだから、ちげーし、いい加減ぶん殴るぞっ」


 頬を赤らめて言う一樹に分かりやすいなあと、思いつつそれは言わない事にした、だって面白いから。


 ニヤついてたら一樹のストレートを一発腹にもらった。


ーーーー


 放課後


 「お前強く殴りすぎだろ、まだ腹が痛え」


 一樹のストレートをもらった痛みがまだ残っていた。


 「いやだってそれはお前が悪いんじゃね」


 「ふっ、それもそうか、だってお前は…」


 と言い掛けて、また一樹のストレートを、今度は戒めに顔に受けた。


 「まじやめろ、俺は君嶋の事が嫌いだ」


 「ふぁいはい分かったから、ふぃたすぎだろふぉまえのパンチ」


 「ああ、お前が悪いんだからな」


 俺は滑舌がおかしくなっていた為、特に一樹と会話をせず、家路を急いだ。


 「じゃあまた、お前マジでもう言うなよ」


 「ふぁい、ふぁかった」


ーーーー


 家へ帰るな否や、俺は衝撃を受けた。


 「な、何でみくねえが居るんだよ」


 「よー涼太くん、お邪魔してまーす」


 そこには昔家が隣だったがいた


 みくねえ、名前は横島美久、俺と歳は10歳違いで、小学二年生くらいまでよくお世話してもらった。

 小学三年生くらいに都会の大学に行ってから、帰ってきてなくて、帰ってきたのが五年後、一年留年したって聞いてたけど、実際はどうなんだろ。


 「みくねえ、大学一年留年したってまじ?」


 するとビールを飲んでいたみくねえはビールを吹き出した。


 「えっ、それ久しぶりに地元に帰省してる人に言うセリフ?ちゃんと言葉くらい選んでほしいな」


 みくねえは俺の方に近づくと、俺の頭を撫でながらこう言った。


 「おっきくなったね、身長はもう抜かれたか〜、中二だっけ今」


 「うん、てか触らんといて、正直酒臭え」


 「え〜感動的なシーンじゃない?今のこの再会のところ!?昔はよくお世話してあげてたじゃん」


 「母さん〜みくねえがしつこいーなんとかしてー」


 母さんに助けを呼ぶも、母は、


 「久しぶりにに美久ちゃん帰ってきたんだから相手くらいしてあげなさい」

 

 母さんはみくねえをおもてなしする為の準備をしてる、今日は夕食が豪華になりそうで少しだけ嬉しい。


 玄関の鍵が開いた、


 「ただいまー」


 そこにいたのは一ヶ月ぶりくらいに顔を見る父だった。


 「父さん!」


 「おっ、涼太、ケーキ買ってきたぞ、美久ちゃんも食べるかい?」


 「食べる食べる〜お酒のツマミは甘いものに限るよね〜」


 みくねえは父の買ってきたケーキを見るや否や、フォークを四人分取り出してきて、食べ始めた。


 「おっ気が効くな、流石はもう大人って感じだな」


 「でしょー、こうしてお酒も飲めるようになったからね」


 そう言うとスマホを弄りながらケーキを食べる→お酒飲む→会話。のサイクルを料理が来るまで繰り返すのだった。


20分後


 「はーい少し遅くなったけど、できたわよー」


 時刻は午後7時、とてもじゃないけど、明日が休みな事を考えると十分に余裕がある時間帯だった。


 「「「「いただきまーす」」」」


 そこからは楽しかった、なんやかんや言って俺もみくねえのことが好きなのだ、もちろん変な意味はないけど。

 再会を祝したり、これまでのことを互いに話し合ったりで、まあほんとに楽しかった、ただ一つアクシデントがあって。


 「ぐごーーー」


 「あっ、みくねえ、もう寝ちゃったよ」


 「本当、寝るのが早い子よねえ、だってまだ9時よ」


 「健康的な生活でいいじゃないか、酒の飲み過ぎかもしれんけど」


 「じゃあみくねえも寝たし、俺も寝るわ」


 「あらほんと?今日は早いねえ」


 「そうかな、まあ明日ゆっくりみくねえと話したいし」


 「そ、じゃあ一緒に寝るといい」


 「えっ!?」

 

 まさかの父の想定外の発言に俺は驚いてしまう、母も賛成のようで、俺とみくねえは一緒に寝ることになった。


 「まあ美久ちゃんだったら変なことしないだろうし、涼太もしないでしょ、たまには優しくしてあげなさい」


 とのことだった。


 「美久ちゃん、寝るなら布団で寝なさい、涼太と一緒でいいよね?」


 「ふぇ?あーうn」


 みくねえは俺が寝ている部屋に布団を敷いて、いっしょに寝ることになった。


ーーーー


 時刻は午前1時。みくねえとは特に何もなく、ちょっと期待していたが、そんなことは全然なく、むしろ寝顔を確認するほどの余裕があった。


 「みくねえ、起きてる?」


 「ふぇ?あー起きてr」


 そう言うと、上体を起こした。


 「あっ涼太じゃん、なんで一緒に寝てんの?」


 「何でって、親が一緒に寝てやれって言うから」


 「そ、ところで、変なことはしてないよね?」


 「変なことって?」


 「分かるでしょ、まあしてないと思うけど、一応、ね?」

 

 「安心して、マジでなんもやってないから」


 「うん、分かってる、涼太はビビりだもんねー」


 「挑発には乗らないよ、流石に、」

 

 明らかにみくねえがやばい、てか正直めっちゃエ◯い、ちゃっかり暗闇でブラが見えとる、でもここは回避せんと、


 「そっかーまあ涼太ビビりだからねー女の子に手は出せないよねー流石に」


 「うんうん、そろそろ寝よ、時計とか見よ?」


 みくねえは少し唇を尖らせるとともに、小声でこう言った。


 「…まあ私はいつでも準備できてるけど」


 まあ聞かなかったことにしよう、流石に眠い、


 「もう寝るよ、おやすみ」


 「おやすみ、涼太、さっきは無茶言ってごめんね」


 俺はみくねえの言葉を聞く間もなく眠りに落ちた。



 




 


 


 


 


 


 

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