異世界への招待人、異鏡君

桜桃

第1話 プロローグ

 ねぇ、貴方は知っている? "異世界への招待人"と呼ばれている、七不思議を。


 桜川高校には、三階に向かおうとする階段に大きな鏡があるの。体全体が映るほど、大きな鏡がね。


 その鏡の前に、四時四十四分に立つと、鏡が歪み、自分ではない『ナニカ』が映り込む。


 映り込んだモノは、鏡から両手を出し、立っている人を中へと引きずり込もうとするみたいだよ。


 もし、引きずられ鏡の中に入ってしまえば、そこに待っているのは笑みを浮かべた執事姿の青年。



『ねぇ、君の望む異世界を──……』

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