ドS執事&奥様と陰キャメイド&旦那様は本日戦闘中!!

「最近旦那の様子がおかしいの」

という話を奥様から聞いたドS執事のルイス。

本日は穏やかな日とは程遠いものになりそうです。


ドタバタ戦闘ラブコメ台本です。

拙作「ドS執事と隠キャメイドは本日先頭中!!」の続編です。

続編ですが一話完結ですので、

前のお話を読んでいなくても大丈夫です。


目安は20分強です。

※台本のセリフ内にある()に殴る、銃声、日本刀など、武器名や動作が記載されている箇所はSEです。

SEは無くても掛け声などでお楽しみいただけましたら幸いです。


※内容が変わるような改変不可。

※一人読み、前読み無し非推奨。

※演者様の性別不問。役の性別変更不可。


ー台本のセリフ内にある()に殴る、銃声、日本刀など、武器名や動作が記載されている箇所はSEです。


ーSEが無くても掛け声などでお楽しみ頂けましたら幸いです。



<登場人物>

ルイス:ドイツ人と日本人のハーフ美形ドSパーフェクト執事。屋敷の使用人のトップ。

同僚のメイド兼彼女、ユキノにデレっデレ。愛銃は単発銃、トンプソン・コンテンダー。


ユキノ:陰キャ腐女子元殺し屋の瓶底メガネメイド。ルイスが乙女ゲーム「イケメン武士クロニクル」に出てくる推しキャラにそっくり。

素晴らしいボディラインをしている暗器使い。


サトル:世界企業ロゴ&トイズ株式会社の代表取締役であり、裏の顔は武器商人。

超愛妻家。優しくておっとりしているが、護身用に銃は使えるようにしている。


エリカ:サトルの妻。元殺し屋でメリケンサックで闘う武闘派、超美脚でヤキモチやきなツンデレ。最近体調を崩しがち。



--------------ここからお話の始まりです。---------------



エリカ:ねえ、ルイス


ルイス:いかがなさいました?奥様


エリカ:最近旦那の様子がおかしいの…


ルイス:おかしい、とはどのようにです?


エリカ:はぁ(ため息)…貴方にも関係があることだから話さないと、と思ったのだけれど

いざ話そうとすると、気が引けるわね…


ルイス:私にも関係があること、…ですか


エリカ:ルイス、私の話を聞いて…取り乱したりしないと約束してくれる?


ルイス:私が取り乱す…ような話なのですか?


エリカ:ええ、ユキノも関わっているの


ルイス:…ユキノが?


エリカ:そうよ…


ルイス:奥様、詳しくお聞かせ願います


-玄関


ユキノ:玄関のお掃除完了!今日もピカピカでチリひとつ無し!…

ルイスさんよりもお掃除は私の方が早くキレイに出来るんだから!

……た、たぶん…おそらく?きっと……


ユキノ:(M)先日職場の上司で私の彼氏でもあるルイスさんにデートを断られた私は、お掃除と推しへの課金でストレスを発散しております


ユキノ:…いつもルイスさんからデートのお誘いを頂くから…

…たまには私から…って思って……勇気を出してデートのお誘いしたのに!!

もう!もう!もう!!!あのドイツハーフ美形ドSパーフェクト執事!!


サトル:お掃除ご苦労様


ユキノ:旦那様、おはようございます


サトル:おはよう、ユキノくん

今日は夕方の会食までオフだから昼食後に…例のアレを頼むよ


ユキノ:例のアレ、ですね!かしこまりました!!


サトル:ユキノくんはアレの話になるとテンションが高くなるね、はははは(笑)


ユキノ:そ、そうなのですか?旦那様?!あわわわわ…


サトル:本当、君も好きだね〜ははははは(笑)


ユキノ:私アレが無い生活なんて考えられないです!!


サトル:たしかに、とても魅力的だからね、僕ももうアレ無しの生活なんて考えられないよ


ユキノ:ですです!旦那様!!

はっ!!階段のお掃除を始めないと!ルイスさんに怒られてしまいます!

では私はこれで失礼致します!


サトル:引き止めて悪かったね、引き続きよろしく頼むよ


ユキノ:はい!旦那様!



ルイス:(M)奥様から聞いた以上に旦那様と最近仲が良い様で…そして二人の会話にあった「アレ」…とは何を指しているのでしょうか

……旦那様と話している時のユキノ、目を輝かせておりました…

…私が嫉妬をしたらどのようになるか…その身に刻み込んであげねばなりませんね



サトル:(M)今日はエリカと二人でゆっくり過ごしたいから夕方の会食までオフにしたけど…

体調大丈夫かな…?…昨日のエリカは顔色が悪かったって…ルイスくん言ってたしな



サトル:あ、エリカ


エリカ:どうしたの?あなた


サトル:いま君を呼びに行こうとしてたんだ


エリカ:そう…


エリカ:あなた、今日の私いつもと何処が違うと思う?


サトル:ん?……エリカ、珍しいね

君がフレアパンツに革のブーツだなんて


エリカ:懐かしいわよね、これは殺し屋時代の私の制服のようなものだから


サトル:…君がその美脚を隠しているということは、僕に対して敵意があるのかな?


エリカ:さすが私の愛するサトルさん、その通りよ


サトル:美脚が隠れていて本当に勿体無い

それにその指にはキレイな指輪の方がお似合いなのに…

なんでメリケンサックなんてつけているの?


エリカ:よく言うわ、あなたが悪いのよ


サトル:僕が君に何かしたかな?


エリカ:自分の胸に手を当てて、よーく考えること…ねっ!!!(殴る)


サトル:おっと!


エリカ:てやあっ!!(殴る)


サトル:その動き…本気のようだね(銃声)


エリカ:あなたが銃を抜くなんて、懐かしい…あなたと初めて会った日を思い出すわ!!(殴る)


サトル:あの時、僕は君のターゲットだったね(銃声)


エリカ:私が殺し屋としてこの屋敷に来たのが私達の出会いだった(殴る)


サトル:今も出会ったときも(銃声)

こんな近距離で銃弾をかわせるのは

君だけだよ、エリカ(銃声)


エリカ:…君だけだよ…ね、

その言葉でユキノを口説いたのかしら?


サトル:ん??エリカ、何を言って…


エリカ:(食い気味に)ルイス、お願い!


ルイス:かしこまりました、奥様


サトル:え?!ルイスくん!!??


ルイス:旦那様、失礼致します(銃声)

これは奥様の命令でございます(銃声)


サトル:エリカ、どういうつもり?


エリカ:どういうつもりも何も…私は本気よ


サトル:ルイスくんも本気なの?


ルイス:はい、普段は執事兼旦那様のボディーガードを務めておりますが…

本日は奥様の補佐を致します

その件に関しては今朝、契約を締結致しました


サトル:え?!今朝って…ついさっきだよね?!


ルイス:ちなみに書面はこちらです


サトル:…文字だらけで真っ黒じゃないか

エリカ、この契約書いつの間に作成したの?!


エリカ:(そっぽを向く)…ふんっ!


ルイス:よって私、本日は旦那様のボディーガードではございませんので悪しからず


サトル:君と僕の問題にルイスを巻き込むなんてやり過ぎだよ!


エリカ:「ヘルハウンドバトラー」の異名を持つ最強執事の援護射撃と元殺し屋の私…

この最強タッグを相手にあなた、どこまで応戦出来るのかしら…ふふふ(笑)


サトル:…君たち…


ルイス:排除します(銃声)


-銃弾が金属トレーに弾かれる


ユキノ:旦那様になんてことをされるのですか?!ルイスさん!!


ルイス:ユキノ…あなたも私の仕事の邪魔をするのでしたら排除します


ユキノ:(ルイスの話を聞かずに)旦那様、お怪我はありませんか?


サトル:大丈夫だよ、ありがとうユキノくん…さすが、元・世代最強と呼ばれていた殺し屋だね

ルイスくんの弾丸を手元のトレイで防ぐなんて


ルイス:私のことを無視するとは…

ユキノあなた、私というものがありながら…(銃声)


ユキノ:えっ?…なんですか?ルイスさん!(ナイフを投げる)


ルイス:旦那様とここ最近(銃声)随分と仲が良いようで(銃声)


ユキノ:え、えええええ?!?!


ルイス:奥様から聞きましたよ(銃声)あなたが旦那様の書斎に出入りしていることを(銃声)


ユキノ:それはですね、ルイスさん…いろいろ理由があるんですよ(ナイフを投げる)


ルイス:言い訳が私に通用するとお思いですか?(銃声)


ユキノ:きゃっ!


ルイス:本日はあなたも私の排除対象ですね


ユキノ:…ルイスさん、私…


ルイス:排除します(銃声)


ユキノ:きょ、今日の私は…ルイスさんにおこなのですっ!!(ナイフを投げる)


ルイス:以前よりスカートの丈を長くしても(銃声)捲り上げたらはしたないことに変わりはないですよ、ユキノ(銃声)


ユキノ:ううう…その素敵なお声に今日は惑わされませんっ!!(ナイフを投げる)

これは昨日の私の分っ!!(ナイフを投げる)


ルイス:…昨日の私の分、とは?


ユキノ:私、あんなに勇気を出してデートのお誘いしたのに!(ナイフを投げる)

なんで断ったんですか!!(ナイフを投げる)


ルイス:そんなの決まっているではありませんか


ユキノ:何がです?


ルイス:私がデートの主導権を握りたいからです(銃声)


ユキノ:え?!


ルイス:愛する女性をエスコートしたい、理由は至極単純なものです(銃声)


ユキノ:(照れる)あ、ああああああ愛するじょ、じょ、女性ぃっ!!…

…また素敵なお声で私を攻めて!!(ナイフを投げる)


ルイス:ユキノ、あなたこういうのがお好みですよね?


ユキノ:あー…はい、大好物です、はい


エリカ:あなた、懐がガラ空きよ!!(殴る)


サトル:っと!!(銃声)


エリカ:私がここ最近よく体調を崩してるから?(殴る)


サトル:今日は元気そうで良かったよ、エリカ(銃声)


エリカ:何よ、しらじらしい!!それともユキノのかわいさと若さとあの素晴らしいボディラインに心を奪われたの?!!(殴る)


サトル:何を言ってるのエリカ、君何か勘違いしてるよ!


エリカ:勘違いですって?!(殴る)


サトル:それにしても君の技のキレは出会った時と変わらないね


エリカ:技が衰えないように日々鍛えてるから当然よ!(殴る)


ルイス:混戦状態でもしっかりと私の弾道の先に旦那様を誘導されるなんて…さすがでございます奥様


エリカ:ルイス!後は任せるわ!


ルイス:かしこまりました奥様、旦那様…失礼致します


サトル:ル、ルイスくん?!


ルイス:偉大なる旦那様といえど、今は私の排除対象です


サトル:だからー、エリカもルイスくんもどうしちゃったんだい?


ルイス:排除します(銃声)


ユキノ:それはさせませんよ!!ルイスさんっ!!(日本刀で斬りかかる)


ルイス:仕事の邪魔ですよ?ユキノ(銃声)


ユキノ:たあっ!!(銃弾を弾く)


ルイス:攻めの姿勢ですか


ユキノ:ええ!ルイスさんが私の彼氏さんで乙女ゲーム「イケメン武士クロニクル」に出てくる我が愛しの「黒船よりの使者ペリー」様に激似でキャラ台詞まで被せてくるとことかも

尊すぎて尊すぎて尊すぎて毎日尊死寸前(とうとしすんぜん)になってる私ですけど!!

私と同じく推しへ愛を注がれている旦那様を攻撃されるのでしたら私は!

この屋敷のボディーガードとして旦那様を全力でお守りする所存ですっ!!(ナイフを投げる)


ルイス:ん?ユキノ、あなた胸元に隠しているナイフの数増えていませんか?


ユキノ:えっ?


ルイス:以前は六本までが限界だったかと(銃声)

いつの間に八本までその胸元に隠せるようになったのですか?(銃声)


ユキノ:はわわわわわわわっ!!


ルイス:その素晴らしいボディラインに更に磨きをかけるなんて…本当にけしからんメイドです(銃声)


エリカ:あなた、覚悟なさい!!(殴る)


サトル:エリカ落ち着いて!!また体調が悪くなったら大変でしょ?


エリカ:お生憎様、今日は体調良いのよ!


サトル:それにしても…せっかくこうしてオフの時間を作ったのになんで僕たち喧嘩してるの?(銃声)


エリカ:それは…(殴る)あなたが私のいないところでユキノと二人きりでイチャついてるからよ!(殴る)



サトル:だから、勘違いしてるよ君は(銃声)


エリカ:さっきも言ってたけど何が勘違いなのかしら?


サトル:ユキノくんと僕がイチャついてるなんて(銃声)一体どこからきた話なの?(銃声)


エリカ:たぁ!(殴る)じゃあ、なんで二人きりであなたの書斎にいるのよ!!


サトル:え?!え?!えーと…そ、それはね…


エリカ:何その反応!?何かやましいことがあるとしか思えないっ!(殴る)


サトル:やましいことなんて何もないよ!(銃声)けど、


エリカ:けど何?


サトル:いくら君が最愛の妻でも、話しづらいことの一つや二つ…僕にだってあるんだよ!(銃声)


エリカ:ごちゃごちゃごちゃごちゃと!このままじゃ話が一向に進まないわ!!


エリカ:ルイス!あれを私に投げてくれる?


ルイス:かしこまりました、奥様


ユキノ:余所見厳禁ですよっ!ルイスさん!(ナイフを振り回す)


ルイス:ユキノ、いつからスカートの中に仕込んでいるナイフを増やしたんですか?


ユキノ:それは乙女の秘密ですっ!(ナイフを投げる)


ルイス:(銃声)まあ、ナイフが増えたところでユキノが私に勝てることはありませんが(銃声)

そういえばユキノ、先ほど「私と同じく推しへ愛を注がれている旦那様」と言いましたが…


ユキノ:そうです!旦那様は私と志を共にする…いわゆる同志なのですっ!(ナイフを投げる)


ルイス:…ユキノ、メイド服の胸元のボタンがとれかかっていますよ


ユキノ:えっ?…ホントだ!あわわわわわわ!!(照れる)…ルイスさんってホントにえっちいです!!


ルイス:どういたしまして


ユキノ:褒めてないです!!……って、あれ?!ナイフが無い!!


ルイス:奥様、これをお使いください(手錠を投げる)


エリカ:(受け取る)さすがルイス、ありがと


ルイス:もったいないお言葉です、奥様


エリカ:あなた!覚悟なさい!!えいっ!!


-ガチャ…っと手錠をかけられる


サトル:え、エリカ?!ちょっとコレって…!!手錠!!


エリカ:手錠をかけられる気分はどう?あなた


サトル:…だからエリカもルイスくんも誤解してるよ、僕は何もしてないんだって!


エリカ:私がここ最近体調崩しがちで大変な時にユキノとイチャついてるくせに!!

まだしらばっくれるつもり?あなた…


サトル:ふぅ(ため息)…エリカ、落ち着いて僕の話を聞いてくれる?


エリカ:私というものがありながら堂々と浮気をする旦那の言い訳を聞けってことかしら?


サトル:違うよ、エリカ


エリカ:何が違うのよ


サトル:僕のスマホ、胸ポケットにあるからとってくれる?


エリカ:え、ええ…


サトル:僕のスマホのロック解除、いつも通り君も出来るだろう?


エリカ:まあ、そうね…パスワードは変わってないし…ん?新しいアプリが入ってる…


サトル:それゲームなんだ、アプリ開いてくれる?


エリカ:…「文芸家女子アルケミスト」…(画面をタップする)えっ??!!


サトル:ギャルゲー「文芸家女子アルケミスト」に出てくる我が愛しの「華麗に舞います出雲阿国(いずものおくに)」様…

…誰かに似ていないかな?


エリカ:………!!


ユキノ:…本当に奥様にとてもよく似ておられるのです…「華麗に舞います出雲阿国(いずものおくに)」様…


エリカ:にしてもユキノ…ルイスに派手にやられたわね


ユキノ:まさかルイスさんに捕縛されるなんて…


ユキノ:いつかこんな日が来るだろうなって私、うっすらと思っておりました…えへへ(笑)


エリカ:えええ!!ユキノ?!


ユキノ:奥様!捕縛もなかなかに良いものでございますよ!!


エリカ:ルイス?あなた、ユキノに何か良からぬことを仕込んだのではなくて?


ルイス:いえ、そんな

滅相もございません(笑顔)


エリカ:…まったく、自分の彼女に涼しい顔で手錠かけられるのはあなたくらいよ、ルイス


ルイス:ユキノは私のモノですので


ユキノ:(照れる)はわわわわわ!!


サトル:ルイスくんも私のスマホ、見てくれる?


ルイス:かしこまりました、旦那様


ルイス:奥様、少々失礼致します……(スマホを見て)ふむ、たしかに奥様とよく似ておりますね


サトル:スマホでニュースを見てたらバナーにこのゲームの広告が出てきて…いたんだ、エリカ…君が!!


エリカ:はい?


サトル:本当は仕事してる時も僕は君と一緒にいたいんだよ


エリカ:あなた…


サトル:だけど僕の表の顔は世界的企業の代表取締役で裏の顔は武器商人…常に危険と隣り合わせ

それと、たまに商談で家に帰れない日もある…

そんなときでもゲームのキャラクターなら危険な目に合わせることもない…

気付いたらエリカが側にいない寂しさを紛らわせてくれるこのゲームに僕は夢中になってたんだ


エリカ:…あなた…


サトル:けど、攻略が難しくて、ね…ははは(笑)


ルイス:それで、ジャパニーズ陰キャ腐女子のユキノにゲームの攻略の仕方を教わっていた…ということなのですね


サトル:そういうことなんだ…わかってくれたかな?


エリカ:ということは…私は自分にそっくりなゲームのキャラクターに嫉妬してたってことなの?


ルイス:そういうことになりますね、奥様


エリカ:何それ!恥ずかしいっ!!


ユキノ:いえ、恥ずべきことではございません奥様!!


エリカ:え?


ユキノ:私にも推しがいますし、ルイスさんに構って頂けない時などは

推しに課金をしたり声を聞いたりして

癒されたり寂しさを紛らわせたりしておりますよ!!


エリカ:ユキノ?


ユキノ:奥様…推し活とは毎日を楽しくするための非常に有意義な活動なのでございますっ!!

例え恋人にそっけない態度をされても推しがいるという安心感!!

それはそれは尊すぎて尊すぎてもうもうもう!!!


ルイス:(食い気味に)ユキノ、止まってください


ユキノ:はいぃ…


エリカ:(恥ずかしがりながら)ううう…


サトル:エリカ?


エリカ:何よ…


サトル:今日のエリカ、かわいい(笑)


エリカ:(照れる)さ、サトルさんっ!!な、なななな何言ってるのよ!!


サトル:あ、いつものエリカだ(笑)


エリカ:私をからかうなんていい度胸してるじゃない!


サトル:そうだエリカ、今日の午後は病院へ行くよ


エリカ:え?


サトル:うん、最近のエリカはよく体調を崩してるからお医者さんに診てもらおう


エリカ:…ええ、じゃあ一緒に来てくれる?あなた、


サトル:もちろん



ユキノ:誤解が解けて良かったです〜

ところでルイスさん、この手錠はいつ外してくださるのですか?


ルイス:(低めの声で)これは私に嫉妬の念を抱かせた罰です、しっかり反省してください


ユキノ:はいぃぃ…


ルイス:敗者には人権、ありませんから


ユキノ:?!…はわわわわ…ルイスさんっ……


ルイス:ん?どうしました?


ユキノ:…「イケメン武士クロニクル」我が愛しの「黒船よりの使者ペリー」様の勝利セリフ!!!!


ルイス:はい?


ユキノ:ルイスさん!さっきのセリフ、もう一度お願いします!!


ルイス:あなた、私に負けたんですよ?敗者のくせに勝者に指図するなんて…なんと図々しい


ユキノ:お願いします!ルイスさん!!


ルイス:嫌です


ユキノ:ルイスさん意地悪です


ルイス:これも私に嫉妬の念を抱かせた罰です


ユキノ:そういえばルイスさん、ヤキモチ…や、やいてくださったのですね(照れ笑い)


ルイス:…やはりあなたには、うんとキツイ仕置きが必要ですね


ユキノ:なんでそうなるんですか?!


ルイス:何か?


ユキノ:もう!このドイツハーフ美形ドSデレっデレパーフェクト執事!!


ルイス:褒め言葉ですね、ありがたく頂戴致します


ユキノ:今日も本当にデレっデレじゃないですか〜


ルイス:(低めの声で)そりゃあデレますよ、あなたが相手なのですから


ユキノ:(照れる)ル、ルイスさんんん…!!もおおおおおっ!!



ルイス:(N)この日の午後、奥様は旦那様と共に病院へ行きました

そして奥様の体調不良の原因が判明致しました


ユキノ:(N)なんと!非常におめでたいことにご懐妊だったのです!!

奥様、旦那様おめでとうございます!!(拍手)



エリカ:あなた、ニヤニヤし過ぎよ


サトル:ははは(笑)改めて本当に人の縁って凄いなあと思って


エリカ:そうね…


サトル:かつて自分の命を狙ってた殺し屋だった君がこうして僕の隣にいてくれる…今は最愛の妻として


エリカ:(照れる)最愛の妻って……


サトル:さて、愛しい家族も増えるし僕ももっと頑張らないと!

お腹の中の子にも偉大な父の姿を見せてあげないとね


エリカ:あ、そうだ…あなた


サトル:何?


エリカ:働き過ぎて私のことをほっとくとか…それは絶対無しだから!あ、ありえないから!あと!!


サトル:あと?


エリカ:ギャルゲー「文芸家女子アルケミスト」にのめり込みすぎるのも無しよ!


サトル:そんなぁ〜…推し活禁止は辛過ぎるよエリカ〜


エリカ:ふふふ(笑)


ユキノ:(緊張しながら)…失礼致します


ルイス:本日のアフタヌーンティーでございます


ユキノ:はわわわわわわ…だ、大丈夫…わ、私も美味しい紅茶淹れられるから大丈夫…


ルイス:ユキノ?


ユキノ:ルイスさん!顔が近いです!近過ぎです!!


ルイス:はい?


ユキノ:何とぼけてるんですか!


ルイス:旦那様と奥様の前です、粗相の無いように


ユキノ:ううぅ…


ルイス:あなた、先日も私に負けたのですよ?


ユキノ:はい…敗者には人権無いんですよね…(しょぼん)


ルイス:よく理解していらっしゃる


ユキノ:…あ、あと…私デートのお誘い、待ってるんですけど…


ルイス:私の気が向いたらお誘いしますよ


ユキノ:ルイスさんは本当に意地悪です


ルイス:「私、意地悪というか性悪ですが何か問題でも?」


-完-

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る