雨降る喫茶1杯目
大雨の中鈍い鈴の音と共に扉が開く
眼鏡をかけた細く身長は高く顔が青白い男性が雨の中を走ってきたのか息を切らしながら店内へと入ってきた。
「いらっしゃいませ」
「どうも。」
第一印象は無愛想、そんな印象が強かった。
傘を忘れたのか背広はびしょ濡れ、鞄も濡れていた。替えのTシャツとタオルを渡すと、先ほどの印象とは違いありがとうございますと笑顔を見せた。
「ご注文はお決まりですか?」
「ホットのコーヒーをひとつ、ブラックで」
「かしこまりました」
タオルで鞄を拭きながら携帯を気にしながらため息を吐く男性は目の下にクマを作りとても疲れた様子だった。
「お仕事の合間とかなんですか?」
「いえ、仕事でミスをしてしまって、、やれることも午後はなかったので早上がりをして、、」
「そうだったのですね、すぐに珈琲を淹れますね」
「ありがとうございます、ゆっくりで大丈夫ですよ」
そう言いながら男性はまた携帯に目を落とし何やらメールを送っているようだった
「それでは」
珈琲カップをお湯に付け、豆を挽き珈琲を淹れ始める。
大きな砂時計を逆さにする
砂がさらさらと落ち始め
雨の音と珈琲が落ちる音と香りと共に男性はぽつりぽつりと言葉を落とし始める
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