妄想独り言少年物語

秋猫シュガー

第1話・中学を卒業しました。

 時は201X年、俺はついに中学校を卒業した。

 仲のいい友達とも少し嫌いなあいつとも別れ、新しい生活が始まる!

 ………とは言っても、元々コミュ症の俺には新しく友達を作るには数ヵ月かかるわけでして。

 はい、入学一ヶ月目で、まだ話せる友達がいません。

 話すとしても授業の事とかである。

 中学の頃どうやって話せる奴作ってたっけ?

 あれ、ほんの数週間前なのに思い出せない。

 大半机の上で睡眠してたからかな。何もでて来ない。

 そんな事を考えているだけで時間は進んでゆく。


 教室の窓、その向こう側には奇妙な生き物がいた。

 他の生徒達は見えてないかのように黒板の内容をノートに書き写していた。

 その生き物は、どこかの動画で見たことのあるようなダンスを踊っていた。

「精霊ダンス」

 そう命名付けた。

 僕はそれを目で追っていた。


 授業の終わりのチャイムが鳴った。

「あ、」

 いつの間にか黒板はきれいにされていて、僕のノートは途中までしか書かれていなかった。

 あの生き物も何処かへ行ってしまった。

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