雪の日のナナちゃん

ある寒い朝の事、玄関のドアを開けると、雪だるまだった。


「何これ? って、一応云ってみたけど。どう見ても雪だるまよね。

一体誰が作って置いて行ったのかしら?

かなりデカイし、ドア開けにくいし、結構、邪魔なんだけど。」


「すいません、道に迷ってしまって。」


「あら、お話ができるの、雪だるまさん。

何処へ行くところなの?」


「いやあ、あんまり寒いので、湯治とでも思いましてね。

何でも、この辺りに温泉が湧いたとか、聞き及びまして、、、」


「あら、ナナ、それスゴク知ってる気がするわ。隣町のふざけた看板を爆破した時に出来たアレの事じゃない?

私が産みの親と云っても過言じゃないわね。」


「おお、それは、お見それしました。お嬢さんは、名だたる温泉師でしたか。

して、何方へ向かえばよろしいので?」


「色々、突っ込み所満載だけど、敢えて聞かないでおくわね。

隣町へ行くには。Turn right and go straight.」


「おお、こちらも敢えて突っ込まずにおきます。

有難うございます、ご機嫌よう。」


「あら、どうやって移動するのかと思ったら、滑るように行っちゃったわね。何だか年季の入った雪だるまさんだったわねぇ、、、」


隣町の温泉施設が休館して、スケートリンクとしてオープンするのは、また別の機会に。

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