ナナちゃんとラジオ

ナナちゃんは、ラジオ党。

テレビには自由がないわ、ずうっと画面に向かって座ってなきゃならないんですもの。


大好きなDJの番組を鼻唄まじりに聴きながら、お気に入りの絵本をパラパラ眺め、咥えたトーストをもぐもぐもぐ、ティーオーレをごっくん。


ただのズボラな「ながら族」なんじゃないの?


その時、ドアチャイムの音。

「はい、はい、はーい」

元気よく開けた扉の前にはサンタクロースのおじさんが、満面の笑みをたたえながら、メリークリスマス。


「ナナちゃんは、一年間とても良い子だったから、プレゼントをあげるよ。ただし、おじさんは秋葉原のサンタだからリクエストは、電化製品でね」


なんだか胡散臭いサンタクロースですが、ナナちゃんは迷うこと無く答えました。


「4K対応の50V型ハイビジョン有機ELテレビをブルーレイ付きで!」


人として、それで良いのかナナちゃん。

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