天使による悪魔の為の堕ち方

和翔/kazuto

プロローグ

『神は存在する』

 非現実的な話だが本当の話。そう信じている。

 何故ならそれが当たり前だから、皆の常識であり一般的な意見だ。

『人が死ぬとその魂を天使が食べにくる』

「食べにくる」というのはよく分かっていないが、神の使いである天使が人間の魂に死んだことを気づかせ導くという話。

 天使には階級がありそれぞれが仕事を全うするおかげで我々は幸せを日々感じているのだ。

 胡散臭い話だが天使の存在は証明されている。

 この前ニュースで報道されていた「死体が突如として消えた」と言うのは天使が回収しに来たからだろう。それに隣のクラスの人が「火葬場で処理したはずなのに炭が残っていなかった」と言う話を皆にしていたのを覚えている。

 神はいる。天使は存在する。

 周りの人へそんな話を永遠と繰り返していた。するとどうしてだろうか? 忽然と友人が増えなくなった。言うなれば私に興味を持たなくなったということだろう。

 私はこうして神の存在を肯定し続け、日々の生活を感慨深いものだと紙と言う紙に書き記してきたが、そんな私には取り柄はない。

 運動もできなければ頭もそれほど良くない。とがっている部分としては神への信仰心が強すぎるのみ。

 個性の主張を求められるこの世界は生きづらい世の中であった。

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