第20話 聖女の弱点
レオーネ王国の一室で3人の魔将が複雑な表情をしながら顔を揃えていた。
「デマイズの気配が消滅したわね……」
ファティマが口を開くが、美しい顔には余裕はなく眉間にしわを寄せていた。
「デマイズと戦ったんだから相当な手傷を負ってるはずだよ。まだ近くに居るかも知れないから現地へ飛んでみるかい?」
カラミティは冷静を装っているが、口調が早口になって焦ってる事が一目瞭然だった。
「聖女に対しては、複数で挑んで確実に倒さなければならない、全員で行くのが最善策か?」
エスティグマは確実に倒す為の方法を呟くように口にした。自分が戦っていれば、負けたかも知れない現実に恐怖を抱いていたのだった。これまでに得た情報で、セレスティアの弱点を必死に考えた……『ニヤリ』その笑顔と同時に2人の魔将にセレスティア攻略法を説いた。
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スパロン要塞の北門を陥落させてから拠点へと戻ったセレスティアは、寝室のベッドで眠っているセイレーンの傍に居た。そして左手を見ながら改めて申し訳ない気分になるが、なんとか不自由なく生活を送れる方法がないかを考えた。
『
『畏まりました。必ず見つけます』
「う、う~ん……っ……」
セイレーンが目を覚ましたけど、痛みは残ってる様子だったので確認をしたの。
「おはよう。痛みはどんな感じ?」
「うん……寝る前と比べると楽になったわ。時間が経つと痛みは消えそうね」
「何か食べてからもう一度睡眠をとる?」
「そうね、もう少し休ませてもらうわね」
セイレーンはスープを口にした後は、魔法を使って眠りについた。私はスパロンへ向かってからロハを召喚して南門を偵察した。
「ロハ、私はセイレーンに義手を作ろうと思ってるの。精巧な物を作りたいから、南門を攻め落とす時に兵士の左手首を綺麗な状態で持ち帰って欲しいの」
「畏まりました。セイレーンと同じ女の兵士の物が良いでしょうか?」
「可能ならそれでお願いするね」
その日の夜に従魔達がスパロン要塞の南門を陥落させたのと同時に、義手を作る為に構造を調べる為の左手首も手に入れたので、私はその日から義手を作る為の研究に勤しんだの。
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