第15話 魔界四魔将
レオーネ王国 王都宮殿の一室で、国王エスティグマは怒りに身震いしていた。
『ヴィクトールが殺られただと……聖騎士まで連れて行かせたにもかかわらず、聖女セレスティアとはいったい何者なんだ……取り敢えずデマイズへ連絡するか』
エスティグマは同じ魔界四魔将でも、自分より格下と思ってるデマイズへ連絡を取る事にした。
「おっ?エスティグマかよ随分と久し振りだな、地上の方は順調なのか?」
「それが……少し問題が発生してな。デマイズ、お前に少し手伝って貰いたいんだよ」
手伝えと言われると、短絡的な性格なデマイズの態度が急変する。
「ふざけてんのか?こっちも魔王様が不在で纏めるのに大変で暇じゃねえんだよ!」
「急にキレるな。お前も知ってるヴィクトールが聖女に殺られて段取りが狂ったんだよ」
魔将ほどではないが、ヴィクトールの強さを知っているデマイズは聖女に興味が湧いたのか、機嫌が良くなる。
「ほぅ、聖女だと?何だよ面白そうじゃねえか?もっと詳しく話を聞かせろよ」
「聖眼を持つ聖女だ。魔族である俺達の天敵が現れたんだよ。どうだ面白い相手だろ?お前の手で聖女を殺らないか?」
「えっ、良いのかよ♪」
「あぁ構わない、地上に出たら俺の城へ寄ってくれ。聖女についての情報を判ってるだけ渡すからな」
「おう判った。直ぐ行くぜ!」
エスティグマはデマイズとの連絡を終えると直ぐに【闇】を呼び、聖女の行方を捜索させた。
一方、魔界から地上へ向かうデマイズは、ファティマとカラミティに暫く魔界を留守にする事を伝えに行った。
「ちょっと用事があって地上へ行ってくるから、暫く2人で頑張ってくれないか?」
「用事って、全く意味が判らないわ。なぜ地上へ行く必要があるの?」
「僕も息抜きに地上へ行きたいな」
ファティマはバカバカしい事を言うデマイズに呆れながら答えると、カラミティは自分も行きたいと言い出した。
いきなり理由も言わずに地上へ行くと言うので、2人がすんなり認める訳が無く説明をする。
「エスティグマから連絡があって、あのヴィクトールが聖女に負けて大変だから、俺に助けてくれと言ってきたんだよ!なんとその聖女は聖眼を持ってるらしい♪」
「聖眼!それは興味深いわね。私が地上へ向かうからあなた達が残りなさいよ」
聖眼と聞いて興味が湧いたのか、ファティマは自分が行くと言い出したのだった。魔界での作業に飽きていたカラミティも負けずに口を開く。
「いや、僕も行きたいんだけど?君達が残れば良いじゃないか」
「なんだよ、全員が暴れたいのかよ?それなら3人で地上へ行って早い者勝ちにするか?」
「「それな!」」
何とも適当な話し合いの結果、魔界での作業を中断して3人で四魔将が地上へ向かう事になった。
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