第五章 悲願成就編
第1話 王都を目指して
レオーネ王国が敗北してから1年が経った。
私達は変わらず要塞や幹線道路を破壊して、王国の国力を削ぎ続けてるの。
一気に王都を目指すと従魔達への被害も出るし、軍部と関係無い人達にもかなりの被害が出るので、大きな戦いは避けてコツコツと戦力を削り続けてるの。
地方では幹線道路の復旧が進まない事や、軍需増強の為に増税を強いられて、反王政の機運が高まって来た。
そこで、私は錬金術で生活備品を作って配布したり、食料になる魔物の肉塊等を提供して、聖女の存在をアピールして王国への信頼を取り崩してる。
実際に民衆へのアピールは、私ではなくセイレーンに頼ってるんだけどね(汗)
一緒に活動するうちにセイレーンから『様は不要』と言われたので敬称で呼ぶのは止めた。
物資を提供する時に、民衆には王政が頼りにならない事と、物資は全て聖女から賜り物でセイレーンは、聖女の思想を実現する為に共に行動してると説いてくれてる。
そんなセイレーンのカリスマ性のお陰で、聖女の存在は民衆に受け入れられてきたの。少しずつ地方が反王政で纏りつつあったので、セイレーンから提案をされたの。
「そろそろ、王都を目指しても良いんじゃないかと思うのよ。地方は中央のやり方に嫌気がさしてるから、強引な王政の命令には従わないと思うのよ。」
「私は余り人を信頼してないから…王国から強引な命令が下されたら敵に周ると思ってしまうんだよね(汗)」
ストラトスの件があってからは、利己主義な人を信じられなくなってるのよね(汗)
「錬金術で外壁や砦を修復していって、国に頼らずに自衛出来るようしてあげれば、聖女の敵にはならないと思うのよね。」
「セレスティア様、セイレーンの言う事に私も同意します。聖女の力で奇跡を見せれば必ず感謝して、王国には従わないと思います。」
セイレーンの意見にブラッドさんも同意したので、私はその意見を尊重する事にしたの。
これからは地方を再生しながら王都を目指す。地方を王国から離反させて領土も削って、最終的にはレオーネ王国を消滅させる。
こっちの方がレオーネ王国を倒した後に、大きな騒動にならずに落ち着くかな?と思えたからね。
政治的な事は判らないので、セイレーンやブラッドさんに任せる方が良いとも思ったし、難しい事は丸投げする事にしちゃったのが本音。(笑)
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