第74話 討伐訓練

 学園の後期が始まり、いよいよ討伐訓練が行われるの。本来なら1年生は草原で討伐訓練をするんだけど、私達A班は学園序列1位と3位が居るので、特例として森林での討伐訓練から参加する事が認められたの。


(※スレインの序列3位は、コールが除名になった為に繰り上がってます)


「そんな訳で、森林に向かう事になったから、地形や出現する魔物については全て変わるわよ。これから作戦などを練り直さないといけないわね」


 セレン様が、討伐訓練先が変わったことを伝えると、限られた時間でやることが盛り沢山なので、作業を分担すること伝える。


「私は魔物を調べるね。カンテラは斥候職だから地形の方をお願いするね」

「おう、任せてくれ」


 私は魔物でカンテラが地形を分担すると伝えると、セレン様達も手伝うと声をあげる。


「じゃあ、私はレンを手伝うわ」

「じゃあ、僕たちも……」


 セレン様が私を手伝うと言った後に、スレイン様とストラトスが何か言おうとしたら、セレン様が2人より先に指示を出したの。


「あなた達はカンテラと地形をお願いね。私とレンは魔物討伐の経験があるから、2人で十分よ」

「「は、はい……」」


 バッサリと言い切られて何も言えない2人に対して、カンテラは『ニヤリ』と笑っていたの。


 討伐訓練へ出発する当日まで下調べをして、討伐地点の森林へ向かう馬車の車中で、互いに調べた情報を共有する為に話し続けたの。


「森林だから火属性魔法は厳禁なのと、鬱蒼とした森だから魔物に強襲される可能性があるよ。足元は木の根がはり巡ってかなり悪いから、十分な注意が必要かな」


 カンテラが地形について説明をすると、セレン様が魔物の強襲については大丈夫だと伝える。


「私とレンが【気配感知】を使えるから強襲の心配は不要ね」


 地形に付いては大方理解できたので、次は私が出現する魔物の情報を伝える。


「魔物だけど【ゴブリン】【オーク】【狼】【オーガ】【甲蟲】【蟷螂蟲】がよく現れるね。レアな【蛾王蟲】【地竜】に出合えたらラッキーかな?【ゴブリン】【オーク】は動きも遅いから特に注意する必要は無いよ。【狼】は群で来るから焦らないように、【オーガ】【甲蟲】【蟷螂蟲】は圧の強い攻撃を仕掛けてくるから壁役がポイントになるよ。【蛾王蟲】【地竜】が現れたら私が処理するね」

「「OK!」」


 話し合いが終わって暫くすると、今回の討伐訓練の目的地である森林へと到着したの。


 到着後は、森林担当の先生から説明を受ける。


「討伐は7日間だ、森林なので複雑な地形と多種多様な魔物が現れる。全員が討伐経験者だから、無理な相手には挑まないと思うが無理はしないように。討伐した魔物はその部位を持ち帰ること。それでは討伐訓練を開始する!」

「「はい!」」


 こうして森林での討伐訓練が始まったの。

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