　クリチェート町に滞在していた【影】がカヴィア町へと急いでやって来た。レオーネ王家直轄組織である【闇】との交戦があった事等の報告を受けて、緊急会議が開かれた。

「クリチェート町でレオーネ王家直轄組織の【闇】が訪れて、元護衛騎士団に所属してたダレンの存在に気付いて、ダレンを拉致監禁して拷問が行われました。ダレンは拷問で口を割らず我々のこちらの所在は知られませんでしたが、精神魔法でダレンの深層心理を覗こうとした為に【闇】の者を処分致しました」

　報告を受けたカルメンと影長は、顔見合わせた後に深くため息をついた。

「そうか、その様子だと【闇】にセレスティア様の生存を知られてしまうな……」

「一応、クリチェート町に到着する前に、魔物の襲撃にあって全滅したように細工はしましたので、多少の時間は稼げるかと思いますが、必ず気付かれるのは確実かと……」

　セレスティアの生存を知られると、レオーネ王国国内に留まるリスクが高くなるので、その事を気にしたカルメンは影長に質問をする。

「このまま国内に留まるのは危険なのかしら？」

「王家に【闇】の者が処分されたと判断されれば、我々【影】の存在に必ず気付きます。そして【闇】を葬った理由は……」

「セレスティアが生存していてそれを守る為」

「セレスティア様が生存してると判断されると、国外への検問と警備が非常に厳重になると思います。私としてはレオーネ王国に留まらず、早めに国外へと避難する必要があると思います」

「そうですか、流石にセレスティアに何も言わない訳にはいかないわね……」

「お嬢様、セレスティア様は大変利発な方です。全てを知っても受け止められると思います」

「そうね、セレスティアへ全てを伝えてから、国外へ向かう事にしましょうか」

　セレスティアに全てを話した後に、国外へと避難する事が決まったので、緊急会議が終了を宣言しようとすると、追加の報告が伝えられた。

「それから、元護衛騎士団のアンナマリーも連れて来ましたが、どう致しましょうか？」

「セレスティア様に武術を教育にするには、あまりにも技量不足なので、影の補助程度で帯同させるのが良いかとおもいます」

「アンナマリーに付いては影長に一任します」

「カヴィア町から国外へ向かう候補地が決まり次第、私へ報告を上げるように」

「御意」

　暫くして、ママから真実を打ち明けられて、私達は国外へと逃れて行く事になるのは、この報告から1週間ほど経ってからの事だったの……

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