第26話 追跡者
時は遡って2ヶ月前のクリチェート町。
レオーネ王国王家直轄組織である【闇】の者がクリチェート町を訪れていた。国王より天子を探すという特命を受けているからだ。王国の領土内を事細かに調べ尽くして、遂に辺境の地クリチェート迄やって来ていたのだった。
「なぁ、このクリチェート町でも天子の手掛かりがない場合は、天子は王国から出て行ったのか、既にこの世には居ないという事で良いよな?」
「う~ん、その生死不明ってのが問題なんだよな……1番良いのは天子が死んでてくれれば、俺達【闇】のお役御免になるんだかな」
「天子が生きていれば、傍には間違いなく【影】が守ってる筈だ。あれとは正直言えば殺り合いたくないんだよな……」
「俺達【闇】と寝返った護衛騎士団での襲撃を凌ぎ切った挙句に、第一聖女カルメンと赤子だった天子と一緒に痕跡を残さず消えたんだもんな」
「まぁ、ここを探っても駄目だったなら、天子は国外逃亡か死んでるんだよ。国外への逃亡なら【闇】の管轄外になるんだから俺達は任務完了。さっさと町を調べ尽くして終わらせようぜ」
「そうだな(笑)」
町に到着して直ぐに会話を終わらせた2人は、町の中に違和感が無いか探りながら歩くいて行く。
2人が小さな痕跡も見逃さないように探していると、ある男とのすれ違う時に、【闇】の男達の頭に僅かな痛みが走った。『ッ…』【闇】の追跡者には頭の中に魔法によって特殊情報が組み込まれている。それは本人の意志には関係なく、頭に組込まれた特殊情報に接触すると、頭に痛みが走って教えるのだ。痛みと共に男達は頭に組み込まれた情報を遡って思い出した。
「おい、あの男は護衛騎士団見習に居たダレンって奴だぞ。なんでこんな辺境の地に居るんだ?これは怪しいな……奴を尾行して様子をみるか?」
「いや、手っ取り早く拉致をして拷問しよう。拷問で何も吐かなければ、次は精神魔法で深層心理を覗いて何もなければ、その後はバラして終わりだ」
「そうだな、『パッ』と終わらせるか」
そう言ってから2人はダレンの後を追う、そして人気のない場所で拉致できる状況になると、ダレンを拉致して連れ去ったのだった……
「チッ、最悪の展開だな……【闇】が相手だとダレンを救うのは難しそうだな」
クリチェート町に残っていた【影】の者がダレンを【闇】の者が拉致したのを確認した。その後を尾行してダレンの深層心理を覗かれる前に【闇】の者を消そうとするのだった。
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