第17話 査定結果①

 冒険者養成講座の生徒達が、採集してきた薬草の査定をして貰う為に、受付カウンターへ順番に並んだの。査定基準は冒険者たちに行うものと同じレベルらしいの。回復薬に必要な薬草を必要数だけ用意 出来ていなければ未達成扱いとなるみたい。

 初めての授業にしては厳しいと思ったの。


「では、冒険者養成講座の生徒達の査定を始めます。採集してきた薬草を提出する用意をしてね」


 受付の綺麗なお姉さんが私達に声を掛けたの。


「ふん、先ずは俺からだぜ!ほらよっと」


 ダン君はそう言ってから荒っぽくカウンターの上に薬草を『ぽい』っと投げ渡した瞬間、綺麗なお姉さんは手に持っていた木製の扇でダン君を思い切りぶん殴ったの……そして殴られたダン君はぶっ飛んで床を転がった。そんなダン君に向かってお姉さんは声を掛けたの。


「小僧君、活きが良いのは結構なのですが、そのふざけた態度は頂けませんね。それに回復薬に必要な薬草の種類とその数も知らずに、採集クエストを受けたのですか?」

「グハッ……なんだよお前は……草なら渡しただろうが……おいババァ、さっさと手続きしろよ」

「提出した全てが雑草なのにも関わらずその態度ですか?目上の相手への口の聞き方も成ってないし、これは教育が必要なようですね」


 お姉さんはそう言ってから、ダン君の近くへ歩み寄って扇で鳩尾を一突きして気絶させちゃったの。

 ダン君を軽くて蹴飛ばした後、お姉さんはダレン先生の方を睨んだ。


「ダレン、こいつは駄目だよ。冒険者としての資質が全くないね」

「姉貴済まねえな……ここまで馬鹿とはな……」

「ふん、取り敢えずソレを外に捨ててきな、残りの査定はソレを捨てた後から始めるよ」


 ダレン先生は、ダン君の髪を引っ張りながらギルドの建物の外へ捨てて戻っきたところで、残りの査定再開したんだけど……全員が固まったままなの。

 お姉さんへの対応を間違えちゃうと、ダン君みたいに粛清されちゃうのかと思うと固まるよね(汗)


 冒険者ギルドの受付嬢ってこんなに恐いのね。もっと愛想が良くて『キャピキャピ』してるイメージは、ファンタジー小説だけの事だったのね……

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