第5話 ママが大好き

 私が初めて〘毎日ガチャ〙をした翌朝、ママが台所で朝食を作っているので、私はママのお手伝いをするのが日課なの。


「ママ、おはよう♪井戸へ水汲みをしてくるね」

「おはようセレン♪いつもお手伝いありがとうね」


 朝の挨拶を交わした後は、玄関から家を出て集合住宅共有の井戸へ水桶を持ちながら歩いて行くと、近所のオバさん達も水汲みをしてるところだったので、私は挨拶をしながら井戸で水を汲もうとしたの。


「セレンちゃんおはよう、いつもお手伝いをして本当にお利口さんだね〜」

「えへへ……お手伝いするとママが褒めてくれるの♪」

「本当にセレンちゃんはママが大好きだね♪」


 そんな会話をオバさん達としていると、私の水桶へ水を汲んでくれたのでお礼を言う。


「オバちゃま、いつもありがとう♪」

「ふふっ、良いんだよ。本当にいつも可愛いね」

「えへへ、じゃあお家に戻るね。バイバイ〜」


 私はオバさんにお礼を言ってから家へ戻ると、ママは朝食の準備を終えていて、私の帰りを待っていてくれたので、汲んできた水桶をママに渡したの。


「ただいま〜♪ママお水汲んできたよ〜」

「セレン、水汲みお疲れ様♪」 


 ママは水桶を受け取った後にキッチンに置くと、優しくハグしてくれたの。私は満面の笑顔でママの頬にキスしていつもの言葉を交わす。


「ママ、大好き!愛してる♪」

「ママもセレンが大好きで愛してるわよ♪」


 ママは男爵の妾だったんだけど、私を妊娠した時に手切れ金を渡されて関係は終了したらしいの……子供が出来たからって捨てるなんて酷い男だよ。


 でもママは私を堕ろさずに産んでくれた。

 好きでも無い男の子供を身に宿したのに……ママはそんな私を産んでからも溢れる様な愛情を注いでくれた。

 

 私の事を何よりも愛してくるママの事が大好きで、必ず2人で幸せになると誓ったの。


 これからは、〘毎日ガチャ〙で当たりを引きまくるの、少しでも今の生活が楽になるように……

 いつか大当たりを引く事が出来れば、ママと幸せな生活が出来るんだと信じてるの。

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