第12話 龍騎
どんな事があっても人の彼女を奪ってはいけないだろう。
そしてどんな事があっても彼女が彼氏と付き合ってはならない。
そんな事を思いながら俺は怒っている奏多に挨拶をしてから2階に上がる。
それから自室に入った。
足元にあるゴミ箱を蹴っ飛ばしてしまう。
「.....何をしているんだかな.....こんな事をしても無意味だってのにな」
ゴミを拾ってから入れ直す。
この感情を誰に打つければ良いのか分からない。
だがその中でも奏多は必死にやっている。
俺はその姿に励まされる。
「.....でも奏多もショックだよな」
そんな事を呟きながら俺はゴミを入れ直し終えてから。
ゴミ箱を元の位置に戻す。
それから俺はスマホの画面を見る。
すると電話が掛かってくる。
その相手は.....龍騎だった.....。
俺は、!、と思いながら返答をしなければ良かったのにも関わらず、もしもし、と返事をしてしまう。
馬鹿な事をしたとは思った。
『夜分遅くにすまない』
「.....何だお前は。何の用事だ」
『.....三日月から全てを教えてもらったのか?』
「.....どうなっている」
『事実なんだな。実は風の流れで教わってね。.....まあとにかく。俺は君とは敵対関係になりたく無いんだが』
「.....何故だ。意味が分からない。お前の事はもう友人と思ってない」
『先ず1つ目に君を敵に回すと厄介だから、だな』
敵に回すと厄介とか馬鹿なのかコイツは。
もうそう言える次元をとっくに通り越しているんだよ、と俺は告げる。
すると、横山さんは君には似合わないよ。.....だからこそ親友としてこうした、と言ってくる。
コイツ何?サイコパスなの?
「.....マジにお前なんなの?アホなの?キモイだけだぞ」
『キモイ?何故そう思うんだ?』
「.....お前の要らん配慮で全てが崩れたんだ。.....お前とはもう口は聞かないし三日月は.....仮にも相手するけど」
『.....おかしいね。俺は三日月と一緒に救えたって思ったんだけど』
「.....脳内がお花畑の様だが。.....お前の様なゴミクズと付き合っていた俺も改心するよ。正直言ってお前のやっている事は世界を最悪の方面に向かわせている。三日月のやった事も。つーかお前は三日月を何だと思っているんだ?手駒か?」
『三日月とどんな関係かって?そうだな。.....一つを言うなら(盾と矛)だね』
また訳の分からない事を言い始めた。
この厨二病野郎め。
俺はそんな事を考えながら、一応聞くがそれはどういう意味だ、と聞いてみる。
すると、三日月は莫大な資産の後継者とされているんだ、と答える。
まあ確かにそれは三日月の両親の両親の爺さんが地主で30億円持っているという感じで噂程度には聞いた。
だけどそれは.....つーか成程。
金目当てか。
「.....金目当てか」
『勘違いしないでほしいな。俺はそんなの興味は無いな』
「.....じゃあどういう事だ」
『人間の人生を救ったらどうなるか知りたいんだ。.....まあつまり三日月の協力も得てから君の人生を変えたいんだ。君は母親も失っているだろうからその分を支えたくてね。その結論になる』
「.....ガチでおはサイコパスだな。.....つまり俺から何もかもを奪って再生させて楽しむつもりか」
『いや。まあそういう事じゃないが.....でもまあ。.....きちんとハッピーエンドにするからな』
何か?泥人形か俺は。
俺の人生はテメェの人生じゃねぇ!!!!!、と絶叫する。
それから、何様だ!、と言う。
すると龍騎は、まあそう怒鳴るな、と説得してくる。
君は奏多さんと一緒に幸せになりたいとは思わないのか?、と言葉を発した。
『.....君は何か勘違いしているな。.....俺は慈善事業をしている』
「お前がやっているのは俺から全てを奪っているだけだ。お前の様なイカれた野郎に当たった俺がとても不憫としか思えないな」
『俺はあくまで君を心配しているつもりだが。まあ途中まで君の人生もそうだが君以外の人生でも良かった、とは思っているが』
「楽しいか?俺から全てを奪ってよ。.....お前の余計なお世話のせいで全てメチャクチャだわ」
『楽しいかって?楽しいかどうかは分からないな』
「すかしてんじゃねぇこのクソ野郎が。お前のサポートは要らん。そういうのをやるなら勝手にやってほしいんだが」
『勝手にね。.....まあそうはいかないだろう』
ゴミクズ中のゴミクズだな。
まあその、コイツが何がしたいか分かった。
つまり俺とかを助けたいがそれ以前に方向性が間違っている、という事か。
三日月がNTRたのから始まったが.....酷いザマだな。
「良いか。もう二度と関わるな。お前は俺に。そして美鈴さんと伊藤さんやみんなに土下座しろ」
『.....美鈴さん.....ああ。彼女か。.....実の所だけど彼女もお姉さんもみんなサポートしていたよ』
「.....何.....というかお前は何か?.....人の人生を食い潰していくのが好きなのか?シロアリみたいだな。まあそれ以下か」
『あくまでサポートしているだけだよ。そう言うな』
「.....それが余計なお世話だっつってんだろうが。マジに死ね」
コイツ俺もそうだが人の人生を食い潰すとか。
俺は思いながら額に手を添える。
つまりこれは教団みたいな感じか?
何かカルトの教祖かコイツは。
悪質すぎる。
「.....お前のお世話にならなくても幸せなんでね。.....切る」
俺は喋り疲れたのでそう切り出した。
それから電話を切ろうとする。
すると、おやすみ、と声がした。
悍ましいと思いながら俺は思いっきり切る。
まさかこんな事になっているとは、と思う.....。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます