第3話


 「ごめんないさい!!狩物先輩!!ただでさえ、返して貰ってないのに、また金を貸して貰ってもよろしいでしょうか!!」


「いいよ。」


「ーーーーー」


「何か言った??」


「何でもないです!!本当にありがとうございます。」


「幾ら??」


「2....3万お願いします」


「いいよ。」


「本当ですか、大変申し訳ないのですが、また返すのいつになるか分からないです。」


「いいよ、いいよ。大切な後輩のためですか」


「ーー」


「??」


「本当にありがとうございます!!いつか絶対返しますね。」



 それから、田中さんは、あれからまた金を貸すように頼まれ続けて

 

「せんぱぁいー!ごめんなさい、また貸してぇー!」


「いいよ。次は幾ら??」


「4でお願いします」


「わかったよ。」


「ありがとうございます♡」


これでついに20万になった。



 俺は正直最初に貸したとき、いやその前からこれが目的で近付いてることは感じていた。


 けど俺は断られない性格みたいだ。


 それに今だにいつかは返してくれてると心の中で信じていた。



 たまたま路地裏から田中さんの声がした。


 「あの、童貞インキャ本当に馬鹿!!」

 田中さんの声


「これで10万余裕で超えてるでしょ、本当にアホだよね」

 おそらく田中さんの友達だと思える人の声がする。


 「唯一の後輩だって、あの先輩一体どこまでボッチなんだよ」


「その唯一がこんなんじゃね。」


 

俺はその場で固まってしまった。


 わかってはいた。こんなことじゃないかなって思ってた。けど実際に目の当たりにすると余りにも別格に辛く感じる。


 

ーーーーーーーーーー


 俺は家に帰ったら、


 「はぁ、今日も視界に映った最悪」


「なんで、こんなのか私に義兄だったのかな、兄が出来ると思って期待してたのに」


俺はさらに追い討ちをかけられる。


 ベットで横に涙が出た。



 はぁ、明日も田中さんに会うんだよな。どんな顔すれば良いのかな?

ーーーーーーー

 次の日


 「あ、狩物先輩!!」


「田中さん」


「どうしたんですか、元気ないですね?」


「うん。ちょっとね。」


「・・・まぁとりあえずゲーセン行ってリフレッシュしましょう」


「そうだね。」


俺は駄目な人間だ。結局関係を断れずにいる。


ーーーーーーーー


 「はぁー!今日も楽しかったですね。」


「そうだね。」


「あの、先輩、申し訳ないんですが、また金を貸してもらって良いですか?」


「・・・ごめん、今は金ないんだ。」


「・・・そうなんですか、じゃあ今度、明日とか一週間後とかで良いんで」


「ごめん、しばらくお金を貸すのは無しにしよう」


「・・・そうですか、わかりました。」


そして田中さんはそのまま何も言わずに俺の元をさり、いつもならこの時、次の予定を決めてから別れるが今日はしなかった。

ーーーーーー


 それから、田中さんに誘われることは全く無かった、


 はぁー、俺は本当に駄目な奴だな。こんなだから、ボッチなんだよ。


 愛宮ビッチ消えろと書かれた紙を見つける。下にはばつをされた写真があり、写っている人は田中さんだった。

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