南宮愛奈(なんぐう あいな)の日記 その17

●三月二十七日


救急車が脳の中に住み着いてしまいましたわ。


頭の中でサイレンが鳴っているんですもの。


うるさくて仕方がないですわ。


その事をあの女性に言うと、傘を返してくれましたわ。


ああ、この女性はなんと礼儀正しいのでしょうか。


安物の傘を救急車が鳴っているだなんて。

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