少女漫画のスパダリ様みたいな彼に愛された私は

なつうめ

第1話 驚愕した!

私!愛仁生あいにいきる16歳!

春から私立義満学園高等部に入学したばかりのピチピチの女子高生!

可愛い可愛い制服に憧れて編入試験に挑むべく頑張った私の中学三年間は無事に報われ晴れてこの義満学園への編入が決まったの!

中学時代に仲の良かった友達たちと離れ離れになっちゃったのは寂しいけれど、今日から私もこの義満学園での新生活が幕が開けるのだ!


───そう勇んで向かった学園で私を待っていたのはまるで少女漫画の世界から飛び出してきたような飛び切りイケメンの同級生だった。

中等部からの昇級組が多い学園にあって他の中学から編入してきた私は輪に入るのに尻込みしてしまったのだ。

一方で放課後になるや否や、私と同じ編入組でありながら昇級組にも囲まれて人だかりを作っていたのが彼、神代正義かみしろまさよしくん!

180㎝は優に超える長身!アイドル顔負けのスタイルに顔!足が長い!背景に花でも舞っているかと錯覚するようなイケメン様がそこにいらっしゃったのだ!

そんな神代君を中心とした輪を遠巻きに眺めていた私だったが、転機は急に訪れた!

神代君が周りにいる女の子たちを差し置いて私に話しかけてきたのだ!

仰天する周囲と同じように固まってしまう私。

神代君とは知り合いでもなんでもないし話しかけられる理由も思いつかなかった。

彼は驚愕する私に微笑みかけると

「ちょっと一緒にお茶しようぜ」

なんて言って私の手を引いてカフェに連れ出したのだ。

私はただただ何が起こったのかも分からないままカフェで神代君と二人きりで対面して座っていた。呆然とする私に彼は

「君も編入組みだろ?俺は神代正義、仲よくしようぜ?」

とほほ笑むのだった。

意図の分からない私は彼への警戒心を強め…ることなど出来るはずもなくその微笑みに頭をやられてしまった。とにかく顔が良い。顔の良いイケメンが理由は分からないがとにかく私に優しく友好的に接してくれたのだ。

盛り上がてつぃまった私が彼と何を話したのかはまるで覚えてはいられなかったが日も暮れる頃に彼が私にまた私の脳を焼く微笑みを向けて言ったのだ。


「なあ、これから俺たち付き合わないか?」


私はその日、どうやって家に帰ったのか思い出せなかった。

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