第3話 資料室にて

 資料室しりょうしつは、地下ちかの4よんかいにある。


 警備体制けいびたいせいがととのっているとはえ、ここは大手おおてだ。


 なにかしら、げされてはこまる、といった理由りゆうで、こんな地下深ちかふかくまで、資料しりょうりに羽目はめになる。


 自動昇降機エレベーターりこみ、地下ちか4かいへとおりる。


 自動昇降機エレベーターなかでふたりっきりになったのを見計みはからって


平川ひらかわぁ」


 平川ひらかわに、げかける。


毎回まいかいしりぬぐいさせられる、

 おれにもなってくれ。


 はぁ。」


 平川ひらかわ無言むごんだ。


 まぁ、無理むりもない。


 ここはあちこちに監視かんしカメラがついている。


 どこにいても音声おんせい録音ろくおんされている。


 ここの資料室しりょうしつだって、例外れいがいではない。


 資料室しりょうしつはいる。


平川ひらかわぁ」


浅田あさだ、さん?」


 くるりとこちらをいたかれは。


うそは、よくないですよ」


 土下座どげざした。


たのむ。


 平川ひらかわ


 300人分にんぶんあつめろ、というのはうえからの命令めいれいではない。


 本当ほんとうは、200にん十分じゅうぶん調査ちょうさだった。


 そうだ。


 毎回まいかいのように、こいつに使つかい走(はし)りをやらせ、ウソをついてはつねばい資料しりょう要求ようきゅうし。


平川ひらかわくんはよくできただねぇ」


「さすが出世頭しゅっせがしら


 面接めんせつしたわたしもはなたかいよ」


 おれ経歴けいれきは、うそにまみれている。


「ここは、人目ひとめがありますから。


 わたしの要求ようきゅうに、こたえてくださいよ」


 手渡てわたしをされたかみには、本当ほんとうちいさな文字もじで。


 監視かんしカメラでもれないちいさな文字もじで、理不尽りふじん要求ようきゅう

いてあった。

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