第11話 女介護士×男介護士の仕事
詩野side
詩野は過去話を終える。
「………なるほどね、そういう仕組みがあるんだねゴミクズダンジョンは」
イルシアは納得した表情になる。
「ええ、そうです」
「その仕組みを見つけた光琳はマジでキチガイ過ぎることがわかったのう」
「そうですね。ただ、イルシアさんはこう様がダンジョンに寝泊まりされていたことは知らなかったんですか?」
「こうちゃんは一切話をしてくれなかったしな」
「どうして話をしなかったんですかね?」
「そんなの決まっている。ユカちゃんに心配かけさせたくないからだろうな」
「そのユカちゃんというのは、こう様の恋人ですか?」
「お互いにはそう思ってないが、実際のところはお互い大好きだな」
「………そうですか」
「詩野もこうちゃんのことが好きなのかな」
「………好きですが何か?」
「まあ、がんばれ」
笑いながらイルシアは言う。
「うーん、奪えたら奪いたいけどね」
詩野は笑顔で返す。
「こうちゃんも大変になりそうだね」
「そうかも知れませんね」
「後、わしのことは呼び捨てで大丈夫やで」
「そうですか、自分もミラでもミーちゃんでも好きに呼んで下さい」
「了解、それじゃあよろしくねミーちゃん」
「こちらこそよろしくお願いします。イルシア」
お互いに名前を呼びあい握手をする。
「さて、ミーちゃん、早速ですまないがユカちゃんを運んで貰えないかな」
「はい、わかりました」
ユカエルをお姫様抱っこをする。
「それじゃあ、わしの隠れ家に行くよ」
「隠れ家ですか?」
「ああ、多分、公式の部隊やパーティーがこの界隈を調べに来る可能性があるから逃げないとね」
「わかりました」
詩野はユカエルを運びイルシアは荷物を運び移動をし始める。
光琳side
「さてさて、次の家は掃除やな」
光琳は目的地に向かって走っている。
「おや」
進行方向にモンスターがいる。
(オークか)
確認するオークが2、3体いる。
「透過、貫通、爆破、邪魔!」
左手から小包丁3本を取り出し投げつける。
「??」
3体のオークは包丁が顔に当たり小さく爆発して倒れる。
「良し!?」
今度はイレギュラーダンジョンが突然目の前に出現して洞窟に吸い込まれて行く。
「………仕事の邪魔だあ!!」
左手から大剣のような包丁を出して。ダンジョン洞窟内を切り裂くと何かの切れ目が出来てそこに入るとすぐ元の場所に出る。
「消えちまえ」
右手からバランスボールが出てくる。
(異質化、核爆破)
バランスボールをダンジョン入り口に放り投げるとイレギュラーダンジョンが音もなく崩れさっていく。
「良し、行くぞ」
光琳は走り出し始めて10分後に目的地に着く。
「さあて、着いた着いた」
着いた家は、異世界化した家である。
光琳はドアを開ける。
「こんにちは、おばちゃん」
「あら、いらっしゃい」
おばあちゃんが車椅子に乗って出てくる。
「掃除しに来たよ」
「いつも悪いね」
「なんもだ、気にするな」
光琳は左手から掃除道具、モップ、雑巾を出して行き居室、寝室掃除をし始める。
「おばちゃん、車椅子は慣れた?」
「ああ、おかげさまで慣れたよ」
おばあちゃんは笑顔で答える。
「それなら良かった」
「しかし、光琳ぐらいじゃな、異世界人の高齢者の掃除したりするのは」
「まあ、どうしても訪問介護したかったのでね」
「あんた介護馬鹿だね」
「それは私もそう思いますな」
「でも、あんたみたいな介護馬鹿が人形みたいな私の掃除して話をしてくれたからこそ喜怒哀楽が生まれて嬉しく思うさ」
「それなら良かったです」
「まあ、無理はするなよ」
「おばちゃんも無理したらダメですよ」
「ふん、大丈夫だよ。なんたって異世界人だから現代人よりは身体は頑丈に出来てるよ」
「それなら良かったです」
「あ、こうさん、これを持って行きな」
何かを手渡される。
「別に入りませんよ」
「遠慮するな!」
「おばちゃんにはいつも貰ってばかりだから良いよ」
「こうさん、あんたは無欲過ぎなんだよ!」
「え?そんなことは」
「そんなことはあるんだよ」
「はあ」
「異世界通貨(ミラ)は受け取らないからな、これぐらいは受けとりな」
「………じゃあ、ありがたく頂きます」
光琳は何かの素材を渡される。
「いつもありがとうね」
「いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます」
「ここはモンスターも、イレギュラーダンジョンもあるからね帰りも気をつけてね」
「わかりました」
光琳は退室する。
「さあて、イルシア、ユカエルちゃんは詩野がいるから安心出しな一度ダンジョンに戻るかな」
光琳はゴミクズダンジョンに戻り始めると
(あれ?)
ゴミクズダンジョン入り口前に車椅子から転倒された状態で人が倒れていた。
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