第26話

そんなことがあった時期は

あたしたちも幼くて

それがどういう意味か理解してなかったのが

不幸中の幸い

っていうか

その頃友達2人いたけどね

やっぱりママって娘のことちゃんと見てない

ママの大勢の友達に囲まれる娘って理想に

あたしの小さな現実は弾き飛ばされて

眼中にも入らなかったんだ


ママはね結局あたしの事

可愛い可愛いお人形さんだと思ってる

落ちそうになったら

すぐ落ちないように固定するし

ホコリ付いてたら

すぐに払ってくれて

定期的に服を着せ替えて

でもね

あたしはひとりのにんげん

ママが手をかければかけるほど

あたしは縛り付けられて動けなくなって

こんな年で

友達の作り方さえわかんないの


でもね

全部ママのせいにしてるけど

ほんとはあたし

自分のせいだって全部わかってるんだけどね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る