アユニ B面の世界

第1話

あたしは安仁屋アユニ

くもじま高校1年生

パッと見普通なおんなのこ

『幸せとは ゆとりのこと』

なんだそれ

斜めから

日常世界を客観視してる

それを『B面』て表現する

思春期真っ盛りの

ひとりっ子

たとえば

学校行かなくていい休日

早起きして OLの朝活かのように

オリジナルの漫画を描いてみたり

撮り溜めたDVDを永遠と見続けたり

ぼーーっとした時間を過ごしてみたり

休みの日はみんなで

集まってカラオケだとか

友だちと買い物行ったり

彼氏とデートしたり

なのにあたしはこの箱の中で

知り合いのインスタ

わざわざ検索して見たりして

孤独をわざわざ再確認してみたり

そんな時間が

楽しいと感じる

『部屋』

っていう箱 それは

『自分だけの空間』

を支配できる

この空間はあたしの世界

他の誰にも干渉されない世界

心置き無く好きなことをし続けられる空間

常にぼっちで

友だちって胸張って呼べるような

一般的な友だちいないし

コミュ障だし

家族が

普通の人が

寝息を立ててるその時間

あたしもみんなと同じ

そんな気持ちを味わえる気がするの