第6話 J君編 寝取られラブコメみたいなオチ / Die Pointe ist wie eine romantische Komödie in Form eines Hahnreis
皆様はJ君を覚えているだろうか。
彼については少し前に私の悪友(親友)として紹介したが、今回は彼と彼の恋愛模様について少し深く話していく。
J君は純血の英国人である。
彼がインターに来たのは小学二年生程の頃なので私ともまあまあ古い付き合いだ。J君は結構背も高いのだが、決して食生活が良い訳ではない。彼の食生活を一言で表すと、肉!である。
初めて彼が私の家でバーガーを食べる事になった時、私の母は彼に
「バーガーに玉ねぎは入れる?」
と聞いた。彼が丁寧に断り、母がそれ以外の具材を入れようとした瞬間J君は母をまた引き留めた。
「あっ、バーガーにはパンと肉だけで十分です。」
母は冗談かと思い笑顔で彼に振り返ったが、かつてなく真面目な顔をしているJ君を見て冗談ではないと理解した。彼はソースまでも断り、食事中に私は彼が気になり過ぎて全く箸が進まなかった。
こんな訳でB君とJ君が二人とも飯に来るとなったら母の神経がかなり削れてしまうので、極力二人同時に呼ぶなと私は釘を刺されている。
つくづく外国人の遺伝は恨んでしまう。
さて、本題に戻りますが今回の登場人物はかなりいるのでここで他の人達も紹介しておく。
ーO君
私の一学年下の黒人。
ーJJ君
私と同じ学年であり、ガタイもかなり良い。S君とは親友。
ーS君
同じ学年でも少し身長は低め、だが女子からは顔が良い?らしい。JJ君とは親友。
ーPちゃん
同じ学年。英国人で私の学年のいわゆるマドンナ。
ーOちゃん
同じ学年でPちゃんとは親友。S君と交際経験あり。(三ヶ月)
J君がPちゃんの事が好きだと私に告白してきたのはつい最近のことだった。確かにPちゃんは学年のマドンナで綺麗な子だったのでそこまで驚かなかったが、その後の情報に私は驚いた。何と彼はPちゃんと三歳程の頃から幼馴染だったらしく、英国人同士なので家族間の交友もかなり深いと言ってきたのだ!
まさしくラブコメ主人公の設定である。そして普通ならここから学園底辺の主人公の子が学園一の美少女と付き合う事になるはずだ。私は彼の肩に手を置き、
「お前なら行ける。」
と言い彼を応援する事になった。
ただそんなに簡単に事が進む訳が無かった。
少しするとPちゃんの近くに住み、一学年下だが同じサッカークラブにいるO君もPちゃんの事が好きだと言う噂が広がってきた。更にPちゃんと同じクラスでありバスも一緒なJJ君も最近仲良くなり始めたらしく、ライバルが増えてきたJ君だったが私はそれほど心配してはいなかった。流石にJ君を超える程Pちゃんを知っている男はいなかったのでこのまま行けばJ君に問題は無いはずだった。
そのまま行けば。。。
数週間後、J君とO君がPちゃんに対してネットでストーカーじみた行動をしていた事が発覚した。そして彼らは完全にネット上と現実でブロックされてしまったのだ!
私は最初に聞いた時信じられなかった。しかしJ君にいくらこの事について聞いても返事は返ってこなかった。
これで覇権はJJ君に渡るかと思われたが、Pちゃんは案外すぐJ君の事を許した。
やはりラブコメの神がJ君を選んでいる、と放課後私が考えていると私と同じオランダ生まれのS君が突然話しかけてきた。
「俺、今からPちゃんに告白するわ。」
驚く事も出来ないうちに彼はさっさとPちゃんへ向かっていった。
そしてその後の彼のガッツポーズを見ると結果は明らかだった。
思えばS君は突然きた様に見えたが用意はもう周到に行われていた。
彼はJJ君と親友である事で彼からの妨害は押さえ込み、Pちゃんの親友であったOちゃんと付き合った経験からOちゃんからPちゃんの事について聞き込みが出来た。
こうして無事S君とPちゃんが付き合う事が知れ渡った後、J君は数日間学校を休んだ。
やはり恋愛は難しい物である。
J君には申し訳ないが、彼にはもう少し良い方法もあったはずだ。
皆様も恋愛をする時は悔いのないように。
(S君は決して悪い奴ではない。)
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