第4話 B君編 ピーナッツバター&。。。/ Erdnuss butter &....

今日は私の親友の一人であるB君について話していきたいと思う。


B君は僕と同じくインターではかなりの古参である。彼は半分ドイツ人であり残りのツークゥオーターはユダヤ人とアメリカ人の血が混ざっている。勿論B君は私と同年代なのだが、遺伝のせいか、とにかくデカい。

多分百八十六センチ程あるのではなかろうか?これは多分日本でもかなり飛び抜けてる身長なはずである。なのに彼と彼の家族はいわゆる菜食主義者であり、彼の家に行くたびに私だけご飯が少し物足りなくなる。

更にB君は私の数少ない頭の良い友でもある。インターの教育方針を批判している訳ではないが、正直かなり教育はゆるゆるである。特に小学校から中学校へ移る時の授業の難しさの変動が一番大きい。

例えるなら数ヶ月趣味でバッティングをしていた人に突然大谷翔平の球を打てと言う様なものだ。


そんな感じで私がB君と喋る時はよく議論になってしまう。ついこの間はラザニアを二つ重ねるとラザニアは一つになるのか、二つのままか、と言う事について喋っていた。B君は二つのままと主張したが私は断じて一つになると言い、譲らなかった。

皆さんも時間があれば是非考えてみて欲しい。(私もB君も極度の負けず嫌いなだけなのでそれほど本気で考えて頂かなくても大丈夫です)


さて、B君に戻るが私は彼をかなり粋な男と思っている。彼とはかなり合う趣味も多く、チェスなども二人でよく遊んでいる。そして彼は日本文化をかなり尊敬している。そのせいか、アニメにも耐性があり私が彼にアニメの映画を見せ始めると、彼は自分でも見始める様になった。(今は進撃の巨人に絶賛ハマり中)

こうして私の数少ないアニメについて語れる友にもなったB君なのだが、一つだけ悪癖がある。

ストーリーの批評が物凄く厳しい事である!

私も、多少アニメや漫画界については知識があると自負している。これは父が手塚治虫の大ファンだった事がかなり関係しているが、B君は私のこの自負をことごとく壊していった。


「ストーリー性が無い。」


私が彼に細田守作、サマーウォーズを見せ終わった後の感想である。

バケモノの子での絆、おおかみこどもの雨と雪で表現された親子愛、未来のミライでの家族への感謝、。。。全てが否定された様な感覚が走った。一介の細田守ファンとして、この名作達を批判されるのは許せない!

(作者の感想です)

キョトンとしているB君を恨めしい顔で見つめると、私はこの雪辱は必ず果たすと誓った。

それからと言うもの私はそこら中の海賊版サイトからアニメを漁りまくっていた。これも良い、これも見せたい、とウハウハになっていた訳だ。

やはり海賊サイトは外国の日本人に残された最後のオアシスである。

(作者の感想です)

そして遂に時が満ちた。私がまたB君の家に泊まる事になったのだ!


そこから事は恐ろしい程順調に進んでいった。気が付けば後は夜ご飯を食べるだけまで行っていた。ご飯を食べ終わりそろそろB君の部屋に戻ろうとしていた時、珍しくB君が私を引き留めた。


「実は最近ハマってる日本のデザートがあるんだが、食ベてみる?」


あまりにも順調に行き過ぎていて私も油断していたのかもしれない。つい、


「いいよ。」


と言ってしまった。それ程気にせず待っていると、彼の母が何かの乗った皿を運んできた。何かと思い私が皿を覗き込むとそこには何かをタップリと塗られた物体があった。


「これが最近ハマってる、ピーナッツバター豆腐だ!!」


自信満々なB君の顔を見て一瞬意識が硬直した。ピーナッツバターアンドジェリーならアメリカでも有名だが、豆腐?!?!

しかも皿に乗っている豆腐は外国特有なシワシワな豆腐であり、ハリも艶も無い。隣を見るとB君は喜んで食べている。案外美味しいのではと自分に何度も言い聞かせると、一口かじってみた。食感は固く、防腐剤のせいで酸っぱい。そこにピーナッツバターの追い討ち!危うく喉を逆流しそうだったが、そこは意地で踏ん張り全て食べ切った。


「じゃあ、アニメ見に行こうか!」


とB君は言ったが、その日は初めてB君に実写映画を選んで貰った。その後からはトイレでお世話になった事だけぼんやり覚えている。

もしも外国人の友達に日本文化を教えるのであれば、ちゃんと食文化も伝えるのがおすすめです。大惨事になる前に。

後日、B君に推しの子と言うアニメを見せたら爆ウケした。







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