第27話

いやそれにしても眠過ぎる。意識が今にも飛んでしまいそうだ。綿棒に何か睡眠剤の様な成分が含まれていたのか?

今ここで眠りに落ちるのは、あまりにも無防備では無いか、、、。

だが次の瞬間、私は闇の中に沈んで行った。


目を開くと、先ほど歩いた通路と同様、辺りは明るく軽快な音楽と芳しい香りに包まれていた。

しかし、さっきまでのどちらかと云えば殺風景な診察部屋とは違い、ここはまるで高級ホテルの一室の様な佇まいである。


寝かされていたふかふかのベッドから降りて、慎重に左の扉を開けると正面のバーカウンターが目に入った。

止まり木に座っているのは見間違い無く「マダム」の後ろ姿である。

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