異性婚って—―

 ある意味普通だよね。 当たり前だからこそ意識しないと気が付かない部分が在るんだよ。

 現在、同性婚どころかパートナー制度を法的に認められてない現状からすると、同性同士で暮らしてる人達には気が狂うんじゃないかって難問が降りかかってくるんだよね。

 同性同士のAさんとBさんが出てくる、物語調で簡単に書いてみたよ。

 これは嘘でもないけど本当でもない、全く無かった訳でもない、顔を知らない誰か一人一人の物語の一部かな。



 AさんとBさんは病める時も健やかなる時も、死が二人が分つまで共に居ようと誓い合った仲です。


 Aさんには性自認する前に異性と子供をもうけていていましたが、残念なことに死が二人を分ち、Aさんと子供は残されてしまいました。

 Aさんは残された幼い子供を抱えて自宅で生活していました。 そんな中、Bさんと出会いました。

 Bさんは失意のどん底に落ちたAさんを励まし、幼児の面倒を見たり食事を作ったりと、公私に渡り懸命なサポートをしていました。

 いつしか二人の間には愛が芽生えましたが、過去の愛と愛の結晶と、自身の性自認と指向に悩みながらもこれ以上嘘は吐けないし誤魔化せない。 自分は自分のまま自分らしく生きて行こうと決意し、Bさんと共に暮らしていきました。

 ある日、Aさんは大病を患い入院して、医師からは「ご家族を呼んでください。 ご家族の判断が必要です」とAさんに言いました。

 しかしAさんの努力や周りのサポートもむなしく、子供を残して亡くなってしまいました。

 Aさんの住んでいた家は売却され、Aさんの子供はAさんの親に引き取られていきました。



 Bさんは? と、なった人は思い出してください。 同性婚は認められてないんです。 日本のパートナー制度を使ってても、事実婚であったとしても法的には他人です。

 つまり、Aさんの家も子供もBさんが受け継ぐことは……まぁ、出来ません。 買い取るとか未成年後見人とかじゃないと。


 これが社会的な問題の一部で、他には国際カップルだと国籍やビザの問題も出るし、遺族年金、犯罪被害者給付金。 控除控えや役所から受け取れる給付金の数々。

 異性婚なら当たり前に受け取れる社会制度の恩恵を、同性婚を認められてない現状だと受け取られなくて苦しい。 そういうお話でした。



 じゃあなんで認められてないのか、認められないのかを次のエピソードに公開します。




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