苦しみの色彩
瀬戸内みかん
第1話身体的虐待の彩
やめて…これ以上……怖いよ……いや…だよ…
これが今の僕。
僕はさっきまで殴られ蹴られてた。
信じられないよな…僕だって信じたくないさ
え?逃げろ?そう簡単に言わないでくれ…
何回も逃げようとしたさ。
真夜中、交番に駆け込んだ。それでも僕は…
おっと、ごめんね。ここからは辛くなるかもしれないから苦手な子は目をつぶって、耳を塞いでおいてね?
話の続きと行こう。
ある夏の夜中、一段と蝉の声が五月蝿かった日。僕は親が寝たのを見計らって外に飛び出た。交番までは徒歩で30分程だった。心臓が口から出そうなほど気持ち悪かった。緊張で胸がバクバクした。不審者に襲われる恐怖と、無事に開放されるかの不安。そんな事を考えていたら交番に着き、ガラガラっとドアを開けた。そこには、5、6人の警察が居て一気に僕の顔を見た。そして僕は、無事に交番に来れた事で涙が止まらなかった。一生懸命考えてきた事、言うことをズビズビ鼻を啜りながら話した。家族に暴力を振られていたこと、もう限界だって事、今までの僕の人生、全て話した。少しすると警察は僕を奥の部屋に連れて行き、女の警官が僕の身体に傷がないか確かめていた。生憎証拠となる傷は無く、親を呼んで話すしか無くなった。そして結果的に親は上手く話を避け、僕は家に帰ると言う結果になってしまった。苦しんでいる僕を警察は見捨てた。そんな事を思いながら夜を過ごした。
そんな見苦しい僕の話。どう思った?
気持ち悪いと思った?
可哀想と思った?
面白いと思った?
ちなみにどんな感想でも、傷は治らないんだ、、、、忘れないでおいてね
苦しみの色彩 瀬戸内みかん @nukonuko001
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