第2話

 ある日、というか引っ越してきて一ヶ月。

ラップ音がものすごく酷かった。

「ええ、誰か、亡くなってないよね……」

思わず声に出して言ってしまう。気にしないようにしてたけど、いままでもあった気がする。

あ、アパートの誰かが外に、


〈気をつけて!ドアのロック!〉


怖かった。オレはドアチェーンをしっかりはめて生活している。もちろん鍵もしっかり内側から閉める。すると、ドアノブが、少しだけ上下して、足音が隣か、その隣へ去っていった。


なに今の。オレの部屋の、ドアが閉まってるか、確認してる?でも今みたいな音とドアが開く音。八時や九時、十時によく聞く。


いやだよ、気のせいだよ。


〈わたしが見てるから!でもね、外からドアノブ、掴んでるよ、その人〉


こわあああ!!!!!


「あなたは一体誰なんです」

おかしくなってきた自分は正気に戻りたい。


〈この部屋とあなたと相性の良い守護霊ですっ、お力添え、します!〉


頼もしい!

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