第2話 ②
瞬く間に燃え広がった火は、大きな炎となって水晶を包み込んだ。男の子は唖然としていた。
それは黄金色に輝く炎で、妖艶であり、嬌声でもあり、聡明さを見せつけ、全能の象徴でもあるようにも感じられた。しかし、同時に陰惨にも見え、邪悪さを核としているようにも感じられた。すなわち、幸福と不幸を両方表しているような気がした。そして、もしかしたらそれは、世情を反映しているのかもしれないと思われた。
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