締めのラーメン:めんをうつ
パンデミックがはじまって最初の二年くらいは運動をしなかった。
そうなると、時間がぽっかりと空いてしまう。
また、外食もいかなくなった。
これまでそこそこ食べていたものが食べられなくなった。
私はラーメンがそれなりに好きだ。
実家暮らしをしていた頃にはそれほど食べた記憶がないから、これは一人暮らしをはじめてからおぼえたジャンクな食生活だろう。
その頃、好んでいたのが化学調味料と背脂やらぶちこんだジャンクの極みでうちの次郎丸(仮名)のような名前で分類される系列のものであった。
これはどういうわけか癖になる。
禁断症状かよと思ったが、どうしても食べたくて仕方がなくなった。
ネットで調べてみると、家で自作する人はそれなりにいるようだった。
別に豚骨をかちわらなくても良い手抜きレシピもそこそこにあった。
家には引き出物でもらったパスタマシーンもある。
かんすいはAmazonで注文できる。
それは作らねばなるまい。
強力粉とかんすい、水で麺の生地をつくる。
引退したおっさんが趣味で蕎麦をうつみたいな話があるが、引退していない私はラーメンをうつ。
生地を寝かせている間にスープをつくる。
豚骨は使わないで、塊肉と粉末スープでごまかすレシピを採用した。
スープ作りに使った豚肉はラーメンのかえしにゆで卵と漬け込んで味を染み込ませる。
しばらくは狂ったようにラーメンをつくっていた。
スープもいろいろとアレンジしてみた。
一番できが良かったのがモミジでスープをとった鳥白湯もどきである。
運動解禁みたいな雰囲気になると自然と麺をうつ回数は減った。
どうも私は麺を打つより面を打つ方が好きらしい。
かんすいはまだたくさんある。
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