【意味怖】夏の虫と言ったら

僕はカブトムシが大好きだった。


小学校ではカブトムシを飼っているだけでヒーローになれたし


そもそも僕は生き物が大好きだ。




毎年、夏になるとカブトムシを探しに行き


捕まえては、家に連れて帰って飼っていた。




ある日、僕は飼っていたカブトムシが生んだ幼虫を見つけた。




嬉しくなって、その幼虫を少し大きめな別の虫かごに入れて


腐葉土を与え、成虫になるのを楽しみにしていた。




その幼虫に「カブちゃん」という名前付けた。


僕はカブちゃんに毎日話しかけて、愛情を注いだ。


カブちゃんはどんどん大きくなっていった。


カブちゃんがどんなカブトムシになるのか想像して楽しんだ。




ある夜、暗い中トイレに起きた時


ついでにカブちゃんの様子を見に行った。




なんとカブちゃんは成虫になっていた。


ツノがない所を見るとメスだろうか。






嬉しくて蓋を開けると、カブちゃんは凄い速さで虫かごから


飛び出し、どこかへ行ってしまった。


気のせいか、一匹や二匹では無かったと思う。






虫かごの中を覗くとサナギの中身が無くなり、殻だけが


残っている。






「カブトムシのメスってこんなに早く動くのか。


明日になったらどこに逃げたか探そうっと」






そういって、もう一度眠りについた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る