【混沌ノ主君】の器になってしまった元営業マンのオタク。

Sorya《そーや》

第1話【絶望・・・・・そして転生】

ーーーーいつからだろうか。つい最近だろうか?それとも1年ぐらい前か?いいや。もっと前、そう。このオレが物心ついた時からだろう。・・・・・何ともまぁ滑稽な人生だった。誰かを信用しようとし頼り、支えようとした結果裏切られ、切り捨てられた。『正しいことを行え』?馬鹿馬鹿しい。そんなことを鵜呑みにして行動した結果がこの現状だ。正しいことをした所で揉み消されたり、隠蔽するために切り捨てられる。全く・・・・・・本当に滑稽で無様だ。こんな世の中に未練はない・・・・・訳じゃない。妹や家族、親しかった友人は心配だが・・・・・それ以外にはほぼほぼ未練というものはない。ひとまずオレはもう疲れた。そろそろこの世からさよならするとしよう。ーーー


???「うぅ・・・・オレは死ねたのか?」


謎の女性「いいえ?貴方はまだ死んでません。」


???「・・・・そうか。で?貴女は一体何者でありこの空間は一体なんだ?」


謎の女性「説明と同時に自己紹介しましょう。私の名は九重 観狐寧(みこね)。この空間の支配人であり貴方のようなヒトを導く存在です。」


???「導く存在ねぇ・・・・・」


観狐寧「はい。私は貴方の願いを聞き届ける為にここにいます。」


???「願いだと?笑わせる。オレにはもう何も残っていないというのに。」


観狐寧「いいえ?貴方の心の奥底には赤黒く禍々しい焔のようなものが燃え盛っているように見えますが・・・・コレを聞いてもなお、貴方は何も残っていないとおっしゃいますか?」


???「・・・・・・・・あぁそうだ。確かにその通りかもしれないな。オレの中にはそう言ったものがあるんだろう?しかしそれがどうした?今更何を願おうと意味などない。」


観狐寧「ではお聞きします。貴方は何の為に生きてきたのです?」


???「ふむ。オレが何のために生きていたのか。か。オレは自分の好きなことができればそれでよかった。それに付随して誰かのためになれればいいなともな。強いて言うならそれだけだ。だからと言って他人に迷惑をかけるようなことはしていないぞ?ただ単に自分のやりたいことをしていただけだ。」


観狐寧「・・・・(予想以上の方ですね。このヒトは自分の本質に気づいていない。コレは難航しそうですね。)」


???「さっきから黙っていて何か言いたいことがあるようだな。」


観狐寧「いえ、何でもありませんよ。それよりも・・・・貴方は善と悪、世界にはどちらの方が必要だと思いますか?」


???「簡単な話だな。この世の本質である善と悪は表裏一体だ。どちらか一方なぞ選ぶ必要はない。」


観狐寧「なるほど。・・・・いいでしょう。やはり貴方には混沌ノ主君の器になる資格があるようですね。」


???「混沌ノ主君の器だと?一体何を言っている?」


観狐寧「いずれわかります。・・・・私の出番はここまでの様ですね・・・・最後に一つだけ。『汝、混沌をもとめよ。さすれば汝は至る。』」


???「おい!どういうことだ!?おい!・・・・」

ーーーーーー

目を覚ますとそこは青黒い森だった。


???「っつ!ここは・・・・オレは一体どうなったというんだ・・・・ッツ〜!なんだこの頭の痛みは・・・・!『ステイタス』だって?とりあえず・・・・ステイタス=オープン。」

ステイタス

名:赤嶺 悠(男)

HP:115

MP:151

STR:35

VIT:45

AGI:42

DEX:43

INT:37

固有スキル

【混沌】・・・・二つの属性を合成、操作できる。

・・・・・・どうなっている?オレは一体・・・・・・というか名前は前世のままなのか・・・・・・まぁいい。あの観狐寧とかいう女が混沌ノ主君の器とか言っていたからな。オレは生まれ変わったとみてよさそうだ。」


『ギャゥ!』


悠「ん?・・・・・モンスターか。試して見るとするか。『闇+焔・・・・・獄焔ヘルフレア。』燃やし尽せ。」


『グギャァァァァ!?』


悠「・・・・・火力が強すぎたのか?消し炭になっているな・・・・・調整が大変そうだ。」


ーーーその様子を隠れみる存在が一人ーーー

???「ふぅん・・・・・?あの男がアタシの受け入れ人ねぇ・・・・・クハッ♪面白い神託じゃないか。」


ーーー早速何やら起きそうな予感が?次回に続く。ーーー

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