Gracias amiga.

@yaki_07

定義

直立していても、着席していても、この時間は毎日自分の意思と身体は相反しているようだ。

「カタ」

その音の連続が聞こえ、少しの話し声が聞こえるこの空間は、どのような環境でも実質1人。周りに人が存在しているのにも関わらず、寂しいというのは確かである。


電車から降り学校へと向かおうとするが、他校の制服を見て心の中から湧いてくるものがある。


あいつは何をしているんだろう


記憶の中にある若き日を思い出しながら思う。劇的な出会いであったといつも思う。

小・中学校のうちの6年間は大切な時間だった。そのうちの4割を占めているものがそいつ…といっても過言ではない。


そんな私の気持ちを知らない純粋な人の様に、降りた電車は私の身体と平行に進んでいく。


意思と身体が相反している

進みたい自分の意思と、直立不動の望みを持つ身体。震えを起こす2つの足…。


時間は進んでいく。


その流れに反することはできない。

歩き続ける。

全く変わり映えのしない、面白い景色を過ぎていきながら、自分の意思だけで学校に着く。


あいつを忘れることのできる場所。そして、

新しい…感情が生まれたこの場所。


さて





忘れる旅に出ましょう。

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