第11話 神様の複雑(お題:願い)
君の願いを叶えてあげる。
全知全能のこの僕が。
髪飾りが欲しい?
ダメ。僕は未来も見えるんだ。
そんなの三日後に君のパパが叶えてくれるから。
お菓子屋さんになりたい?
ダメダメ。
それは十五年後、君が勝手に叶えちゃうんだ。
は? 水が飲みたい?
ほら、あそこに水飲み場があるよ。
結局なんにも叶えないんじゃないかって?
だってくだらないことばっかだし。
僕がその気になれば世界だって滅ぼせるのに。
大人しくしてるのを褒めてほしい…よ?
突然頭に乗っかったのは少女の手。
じゃあ、 私が褒めてあげるね、 と。
僕ともあろう者が、こんな幼子に願いを叶えてもらうとは。
ふてくされる僕に、無邪気に笑ってみせた少女の手のひらは、随分と心地よかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます