第15話2人きり
れなの家の玄関に着いた。
「本当に、親いないのか?」
「今日は2人とも、仕事で泊まりなの」
「じゃあ、明日まで1人ってことか」
まだ、迷っていたあおいだったけど、
1人で寂しいと思い、家に入ることにした。
「お邪魔します〜」
「なによ。改まって」
あおいは、少し緊張していた。
この家には、2人っきりと考えたら当然だ。
「じゃあご飯作るから、リビングで
待ってて」
「わ、わかりました!」
「何で敬語なの?変なの」
れなはキッチンの方に向かって行った。
あおいは、リビングに行き、ゆっくりと、
ソファーに腰をかけた。
リビングは、いつもと、同じはずなのに、
何か違う気がした。
「あおい〜。ご飯カレーにするから」
「わかった…」
「どうしたの?緊張してるの?」
「そんなわけ。いつもきてるのに」
「そうよね。緊張するわけないわね」
れなは、キッチンに戻っていった。
(どうした俺。なんでこんなに、緊張してるんだ。あいつは、ただの幼馴染。やましい事なんて何もないはずだ)
あおいは、心の中で、葛藤していた。
30分後…
「できたわよー」
れなの、声がした。
あおいは、無言のままテーブルに座った。
「はい。どうぞ!カレーとサラダです」
あおいは、まず、カレーを食べる。
「美味しい…」
「ありがとう。でもあおいが、前作ったのも、美味しかったよ」
「そうか」
「ちょっとー。どうしたの?元気ないよ?
あおい。」
「なんでもないよ」
「私の家に来るの、嫌だった?」
「そんなことない」
「じゃあどうしたのよ?」
あおいは、無言で、カレーを食べた。
「ご馳走さま」
あおいは、れなの質問には答えず、
キッチンに食器を、持っていった。
「ちょっとー。人の話聞いてるの?」
れなは、さすがに怒っていた。
「聞いてるって」
「じゃあなんで、答えないの?」
あおいは、言い逃れできないと思い、
話すことにした。
「あのさ。れな聞いてくれ。」
「う、うん。」
あおいは真剣な顔になった。
「最近お前と、一緒にいると、もやもやした気持ちになるんだ。これが、どんな感情か分からない。でも、嫌なわけじゃないんだ」
れなは、少し、考え込み口を開いた。
「私も、あおいとは、少し違うけど、もやもやしてるよ。それも、ずっと前から」
れなは、顔を赤くしている。
「ずっと前?どんな気持ちなんだ?」
「それは、ちょっと言えない。」
2人は、しばらく無言になった。
「まぁその話は、また今度。あおい、
1つだけお願い聞いてくれる?」
「内容にもよるけど」
次はれなが真剣な顔をしていた。
『今日、泊まっていってくれない?』
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