幼馴染のれな

マッキー

第1話隣の〇〇

教室のドアが開いた。


「おまえさー、今日起こしに来なかっただろ」

「ちゃんと起こしに行ったわよ。あおいが起きなかったんじゃないの」


れなの顔は不機嫌だった…


あおいは、毎朝れなに、起こしてもらうのが

日課となっている


「嘘つけっ!全然聞こえなかったぞっ、絶対起こしてないだろ」


「行ったわよ、しつこいわね。そんなにしつこいと、彼女できないわよ!」


「大きなお世話だ、お前こそ嘘ついてると、彼氏なんかできねえよ!」


「なんですって?!もう絶対起こしにいかないからね」


れなはあおいを睨みつけた。

言い合いをしてると

あおいの親友のまさやがきた。


「朝から夫婦喧嘩、熱いねー、お二人さんっ」


「はー。誰がこんなやつ」


「私のセリフよ!こんな寝坊やろう」


二人の顔は真っ赤。


「はいはい、仲がよいこと。お幸せにー」


とまさやは、去っていった。

「まさやのやつ。変な事ばっか言いやがって!」

「ほんとよ、これもあおいのせいよ」

「なんだと!!もう知らん!」

あおいとれなは、しばらくお互いを

無視した。



放課後になり、あおいが、家に帰ろうと

教室を出た。

「あっ!」

外に出ると、れなが丁度いて、ぶつかった。

「お前なんでここにいるんだよ」

「あなたこそ」

「俺は今から帰るんだよ」

「私もよ、真似しないでくれる?!」

「知らねえよ。

まあ俺は帰るからさよなら〜」

余計な話はしたくなかったのであおいは、

すぐに、歩きだした。 


校門を通り過ぎると、

後ろから気配を感じた。


振り向くと、れなの姿が…


「なんでいるんだよ、ついてくるなよ」


「しょーがないでしょ。私も今帰る途中なんだから」

「はぁ〜」 

あおいは、深くため息をつく。


「よく聞けよ、れなっ! 俺とお前は

家が隣同士なんだから、一緒にいると、

勘違いされるんだぞ!」


「いいじゃない、なんにもやましいことなんて、ないんだから」

自信満々そうに、れなが言う。

こういうときのれなに、勝ったことがない

あおいは、もう、無視して帰る事にした。


歩き出して10分が経った・・・


あおいは家に到着した。

と同時に、れなも着いたようだ。

れなは、こっちを向いていた。


「あおい今日のことは、許してあげるから明日はちゃんと起きなさいよ」


なぜか機嫌は良さそうだった。

朝はあんなに怒っていたのに・・・

あおいはこの時のれなの感情が

わからなかった。

「はいはい起きますよ」

あおいは、適当に言って、家の中に入った。



夜になり家の電話が鳴った。

画面には、[母さん]と表示されている。


「もしもし、母さん何の用?」

「あおい、夜ご飯まだでしょ?

母さんたち今日帰れそうにないから、夕飯はれなちゃんに頼んどいたから」

「はぁ〜!まじかよ。れなは、了承したの?」


「うん。嬉しそうだったよ。

じゃあ切るねー」

「あっ!母さん」

電話はすでにきれていた…

はぁ〜。またあいつに合うのか・・・

あおいのテンションがダウンした。

それに、追い討ちを掛けるように

玄関のチャイムが鳴った。

「はいはい。今出るから」

きっとあいつだと分かっているが、

違う人だと願いながら、ドアを開けた。

「こんばんは」

案の定、れなだった。

「お、おう、夕飯だよな、玄関に置いといてくれたらいいから」

あおいはなるべくれなと、

話したくなかったので嫌そうに言った。

「作るよ、だから上がらせてもらうね」

「マジで言ってんの?作ったもの持ってこいよ」

「しょうがないでしょ。私も今日家族帰って来ないんだもの」

れなは、なぜかうれしそうな顔だった。

「おまえなんかうれしそうだよな?!』

「そんなことないわよ、あおいの親が頼むから仕方なくよ」

そう言うと、

逃げるようにキッチンに消えて行った・・・

あおいもリビングに行くとエプロン姿のれなが準備していた。

「何食べたい?」

「なんでも〜」

俺は適当に返した。


「ちょっとあおい!その答えが一番難しいんだよ。じゃあ、ハンバーグとサラダ作るから」

れなは少し顔を膨らませて怒っていた

あおいは、何も言い返さず、黙って待つことにした。


それから20分がたった。


「できたよー」

れなの声のする方へと向かうとテーブルには肉汁あふれるハンバーグと彩りの良いサラダが、並んでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る